back number 2018-01(January)

すっかり冠雪した北八ツの山々(17.11)

01/31 「これぞフェイクニュースの格好の見本!」とでもいうべき記事が、ネットの「産経ニュース」(12/09)と「産経新聞」(12/12)で流されました。
昨年12月、沖縄自動車道で起こった多重事故で米海兵隊曹長の男性が意識不明の重体となった経緯を伝える記事で、筆者は、同紙の那覇支局長。
「曹長は日本人運転手を救出した後に事故に遭った」としたうえで、こう断じます─。

「日本人運転手が軽傷で済んだのは曹長の勇気ある行動があったからだ」と。

そして勢い余って、「曹長の勇気ある行動」を伝えなかった沖縄メディアに矛先を向けます─。

「これからも無視を続けるようなら、メディア、報道機関を名乗る資格はない。日本人として恥だ」と。
これに煽られ、「ネットでは県内メディアへの批判が集中し…抗議の電話やメールが多数寄せられた」ことは、いうまでもありません。

ところが、きのうの『琉球新報』によれば、

「海兵隊は現場で目撃した隊員の証言などから1月中旬、「(曹長は)他の車両の運転手の安否を確認したが、救助行為はしていない」と回答。県警交通機動隊によると、事故で最初に横転した車の運転手は当初『2人の日本人に救助された』と話していたという。」

どうってことはありません。米軍は「米兵が救助」の事実を明確に否定し、県警も「救助の事実は確認されていない」という話なのです。

「産経新聞は、自らの胸に手を当てて『報道機関を名乗る資格があるか』を問うてほしい」との『新報』記事のむすびには、現場取材もせずに「フェイクニュース」を拡散する本土メディアに対する沖縄メディアの強烈な怒りが秘められています。

01/30 きのう始まった衆院予算委員会。小泉進次郎氏の「トンデモ発言」(Cf. 01/26)どおり「何度も同じような質問」が繰り返されました。
だって、あれだけ「あまりに不誠実な答弁」が次々繰りだされれば、「同じような質問」が止まなくて当たり前。
たとえば、財務省の佐川宣寿・前理財局長(現国税庁長官)が何度も「廃棄した」と説明していた近畿財務局の文書が、会計検査院の検査報告の前日になって、やっとのことで提出されたことを追及された麻生太郎財務相─。

「〔会計検査院の〕検査の過程で、法律相談の記録があることに気付く状態に至らなかった」と。

いつもの話しぶりからすれば、「何とも歯切れの悪い複雑構文」。実に「ミゾユーウ」のことです。
しかも、「一連の虚偽答弁の論功行賞で栄転した」と巷間ささやかれる佐川・国税局長官が、いまだに就任記者会見を行なっていないことを追及されたアッソーさんの答弁─。

「所管の行政以外に関心が高まっていたことから実施しなかったと聞いている。適切な対応だ」と。

これはもう、「政権ぐるみで真相隠しをやっていると言われても仕方ない」(共産党・小池晃書記局長)。「問題答弁の白眉」と言えるほどのものじゃないですか!?

01/29 この土日、2夜連続で放送されたNHKスペシャル「未解決事件 file 06『赤報隊事件』」は、31年前に起きたあの異様でおぞましい事件と世相を、まざまざと思い起こさせてくれました。
1987年の憲法記念日の夜、朝日新聞阪神支局を猟銃で襲い、たまたま居合わせた2人の記者を死傷させた「赤報隊」を名乗るグループは、相前後して朝日新聞などへの手段を選ばぬ脅迫とテロ行為を繰り広げ、日本社会を恐怖に陥れました。

「われわれは日本国内外にうごめく反日分子を処刑するために結成された実行部隊である。1月24日の朝日新聞社への行動はその一歩である。これまで反日世論を育成してきたマスコミは厳罰を加えなければならない。特に 朝日は悪質である。彼らを助ける者も同罪である」(1987年1月の犯行声明)。

ここで注意しなければならないのは、当時は誰もが感じたに違いない「あの異様さ」が、31年後のいま、「ネトウヨ」らのあからさまな言説を思えば、決して「異様」などではないと考えてしまうことです。
ちなみに、その代表格・百田尚樹氏のツイートから─。

「朝日新聞は日本の敵だが、そんな売国新聞を支えている朝日の読者も日本の敵だ」(1月13日)。

これ、31年前の「赤報隊」犯行声明と瓜二つですね。そのことを、もはや「由々しき問題」と捉えられないこの国のマスメディアは、かなりの危険水域に達していると思わざるをえません。

01/26 首相在職時の小泉純一郎氏を零細出版人が「鈍イチロー」などと呼んだのは、その「軽薄短小ぶり」を批判してのことでした。
まっ、もっとも「最高権力者の軽薄短小ぶり」は、その後ますます進化(?)を遂げているのですが…。
そんな後継権力者の影響を受けたということなのか、こんどは小泉進次郎・自民党筆頭副幹事長が、「トンデモ発言」を披露してくれました─。

「将来的な国会のあり方をイメージすると、何度も同じような質問が繰り返される時は人工知能(AI)ではじいてほしいな、と。そういうAIの活用とか、未来の国会のあり方、やれることはいっぱいある」

冗談言っちゃあいけません。「モリ・カケ」にせよ何にせよ、野党が何度もしつこく追及するのは、首相や閣僚が不誠実な答弁に終始しているからじゃないですか!?
質問にはまともに答えないで、問題をはぐらかしたり、ごまかしたり。またあるときは、官僚の作文を棒読みしたり、質問とは関係のない話をだらだら続けたり…。
そのことに目をつぶって、「AIの活用」を言い、それが「国会改革」だなどと称する、おそるべき短絡ぶり。
「軽い・薄い・短い」の三拍子そろった「最高権力者」のもとで、自民党の「軽薄短小ぶり」は、どこまで進化を遂げていくのでしょう?

01/25 『サンデー毎日』2月4日号「倉重篤郎のサンデー時評」が面白い。ゲストに小泉純一郎・元首相を迎えての「脱原発伝道の激白90分」。
ムム何と、「安倍首相には、もはや期待しない!」ですと…。
当代名うての「千両役者」登場とあれば、ここは零細出版人ごときが下手な解説を加えるより、ご当人たちのやりとりをそのまま引かせていただくほうが得策でしょう─。

 安倍首相には小泉さんが何度も説得している?
 「うん。だが、全く何も答えない。『経産省に騙(だま)されてんだ、経産省の推進論、全部嘘なんだぞ』と言っても苦笑しているだけだ。もうここまできた以上変えられないということだろう」
 首相が決めればすべて変わるというのが持論だ。
 「すべてが変わる。簡単だ。今は首相が推進しているから皆黙っている。逆になれば役所もガラッと変わる。役所も電力会社も原発派と脱原発派があり、今は原発派が権力を握っているだけだ。自然エネルギーが伸びれば、脱原発派がいずれも主導権を握ってくる」
 今の安倍首相である限りそうはならない。
 「そうはならないね」
 ということは、次の首相を待つしかないと?
 「そう」

いやはや、なかなかの思いきりのよさじゃないですか? かつては「鈍イチロー」などと揶揄していた零細出版人も、強く共感を覚えるのでした。

01/24 SNSに続いて、きのうは同じく出版協主催の「セクハラ・パワハラ防止研修会」に出てきました。
講師は、弁護士の小竹広子さん。ゲシュタルト療法セラピスト、産業カウンセラー、家族相談士…と、きわめて広範な活動領域をお持ちの方です。
お話の途中4枚のチェックシートが配られ、セクハラ・パワハラに対する参加者の認識や意識を問いました。
中には「グレーゾーン」にあって、一概にはどちらとも断定しがたい問いもありました。たとえば─。

「男性上司が女性の部下に『私と帰る方向は同じだったよね。もう襲いからタクシーで家まで送っていくよ』と言う。」
ウーン、これはセクハラと言いきれるか?

「部下が同じ失敗を何度もするので、別室のミーティングルームに呼んで、1時間程度、どうして失敗が起きたのかを聞き、再発防止について話した。」
これはパワハラ? ここも議論の沸いたところ。

参加者のほとんどは小零細版元の経営者、「ハラスメント」についての認識の程度もまちまちでしたが、最後の「指導とパワハラの線引き」まできて、おのおの方、おおむね得心されたご様子─。

「叱るときは1対1で! 褒めるときは、小さいことでも、みんなの前で!」

なるほど、ねぇ。

01/23 先日、小社も加盟する出版協で、「はじめてのSNS」という研修会がありまして、覗かせていただきました。
毎日、長ったらしい駄文ばかり綴る習性のある零細出版人にとって、SNSなんてさぞかし窮屈にちがいないと思い込んでいたのですが、「そんなことでこれを利用しない手はない」ということでした。
しかし、その一方で、「SNSで生まれる世論」が特定の人物をターゲットにバッシングしたりする昨今の風潮には、どうにも首肯しがたいものがあります。
最近の事例でいえば、音楽プロデューサー・小室哲哉さんの「不倫疑惑」です。もとはといえば『週刊文春』の「文春砲」による「スクープ」に端を発するのですが、たちまちのうちにSNSがこれを増幅したであろうことは疑いありません。
それにしても何で、世間様はこれほどまでに「不倫」に強い関心を抱くのでしょう? 法を犯したり、人様に迷惑をかけたりしないかぎり、プライベートな生活の中で他人様が何をしようが、かまわないじゃないですか?
不思議なのは、そんなことを騒ぎ立てる人たち(メディアも含む)にかぎって、おっしゃるほど「聖人君子的な日々」を送られているようには見えないことです。
で、そのあたりの事情について、社会学者・太田省一さんに読み解いてもらいましょう(『日刊ゲンダイ Digital』)─。

「たとえば昭和時代であれば、当時のワイドショーがこうしたネタを扱っても、今ほど早く世論が形成されたり、バッシングが目に見えて起こることはありませんでした。今の世論において主にネット、とりわけSNSの登場とその影響が大きいのは周知のことですが、それらの多くは匿名によってなされているのが現状です。そこで生まれた世論で有名人が叩かれがちな背景としては、経済や社会の停滞による閉塞感からくる不安や不満のはけ口として目立つ有名人がターゲットになりやすいことがあります。」

御意。

01/22 昨年12月、国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)から助成金や無利子融資をだまし取ったとして、東京地検特捜部に詐欺罪で逮捕されたスパコン開発会社「ペジーコンピューティング」前社長・斉藤元章容疑者が、法人税法違反容疑でも立件されるよう(朝日新聞、1月22日付)。
なにせ、この男が騙し取ったとされるカネは、半端なものじゃありません。零細出版人には、気も遠くなるような金額です─。経産省所管のNEDOからペジー社への助成金は総額35億円以上、それに文科省所管の国立研究開発法人「科学技術振興機構」(JST)から、同じく斉藤氏経営のExaScaler社への無利子融資が52億円(限度額は60億円)… etc.
ではなぜ、これほどのカネ(もとはと言えば、すべて税金)が動いたのでしょう?
『週刊新潮』1月25日号「スパコン事件が風雲急!『総理ベッタリ記者』の携帯電話を押さえた特捜部のターゲット」が伝える「特捜部の関係者」の証言を引かせていただくと─、

「山口がペジーの顧問になって以降、彼と齊藤が経産省に担当者を訪ねたことがあります。その席で2人は『官邸が了解しているのになぜ急がないのか』というような問いを投げかけたとされている」

「ベッタリ記者」とは、伊藤詩織さんへのレイプ疑惑ですっかり有名になった、元TBS記者・山口敬之氏のこと。それにしても、あれっ、どっかで聞いたようなセリフですね。 そうでした「総理のご意向(ご威光?)」ってやつです。
疑惑の糸をたぐっていくと、「モリ・カケ疑惑」に続いて、またまた「怪しげな麺類(?)スパ」がご登場、というわけです。

01/19 「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のノーベル平和賞受賞に日本政府が冷淡な態度をとり続ける(Cf.01/17)一方で、勇気をもってこれを支えようとする人々も、相次いでいます─。

「核兵器のない世界をめざして、被爆者を中心に世界のさまざまな団体・個人がつながっているネットワークに賞が与えられて、お互いにおめでとう、という気持ちでした。地球単位で平和を考えるきっかけになればと思います」

そう語るのは、広島県出身で25年間ボランティア活動を続けている女優・東ちづるさん(全労済「Safety Family」新年号)。
世界を舞台に「原爆詩」の朗読会を開き、「核廃絶」を訴えてきた女優・吉永小百合さんも、1月6日の朝日新聞インタビューにこう答えています─。

「今、核兵器の禁止をそれぞれの国の人たちが考え、意見を出し合って大きな流れにしたのは素晴らしい。次は、この国で生きている一人一人が声を出していくことが大事だと思います」

そして、戦争体験者の話を聞いて回り、さきごろ『戦争の大問題』という本にまとめた丹羽宇一郎さん(元伊藤忠商事会長・元中国大使)の直言─。

「いま北朝鮮も米国も、そして欧州諸国の一部も、どんどん戦争に近づいているように見えます。安倍さんがどうお考えなのかは分かりませんが、日本もその流れの中にいます」(「落合恵子の深呼吸対談」第31回、『通販生活』2018年春号)。

01/18 けさの東京新聞のコラム「筆洗」は、EUが2050年までに使い捨てプラステチック包装をやめることを打ち出した、いわゆる「プラスチック戦争」のことを採り上げていました。
零細出版人がこの画期的な方針に喝采を送ったことはいうまでもありません。でも白状しますと、ホントのところ、それ以上に強く共感を覚えたのは、実は導入のエピソードでした。
筆洗子氏は、川沿いの散歩道で目撃したある光景から書きだします─。

「こざっぱりした身なりの初老の男性が柴犬を連れて歩いている。犬が用を足すと、男性はすかさずバッグから小さなポリ袋を取りだし、ふんを入れた…と、次の瞬間、男性は、その袋を、川に向かって勢いよく投げ捨てたのだ」と。

同様の光景は筆者もよく目にしています。「わざわざ分解しにくいポリ袋で『包装』して」空き地に捨てられたふん…、ときにはXマスツリーのように、木の枝からいくつもぶら下がっていることも。
「こんなことする奴の気が知れない」となるわけですが、実はコレ、「気の知れる人たち」(?)の日常生活でもよく見られることです。
たとえば毎日のゴミだしや、家のまわりの落ち葉掃きでも、「キレイにするというのは、自分のところからゴミを遠ざけること」と思い込んでいるような人々も、よく見かけます。
その大規模かつ虚しい例が、原発事故後の放射能汚染地域でのいわゆる「除染作業」です。取り除かれた汚染土や草木などは、黒いフレコンバッグに袋詰めして別の地域の空き地に野積みにするだけのこと。こんなものどう考えても、ただの「移染」にすぎないのですがねぇ…。

01/17 来日中のノーベル平和賞受賞国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)事務局長、ベアトリス・フィンさんが、昨年12月から2度にわたって安倍首相との面会を求めていたが、断られたと言います。

「日程の都合上難しいということで、それ以上でもそれ以下でもない」

菅官房長官はそんなことを言っているそうですが、ならば「唯一の被爆国」の政府として、礼の尽くし方はもっとあるはず。
菅氏が本心を語っていないことは、なによりも「核兵器禁止条約」の交渉にも参加せず、ICANの平和賞受賞に祝意すら示していないことからも明々白々。

「長崎、広島の価値観と、政府の政策に大きなギャップがあると感じた。日本は行動しなくてはいけないし、国民がそれを求めてほしい」

大いに落胆させられたであろうベアトリスさんは、そう語っています。
日本政府が冷淡な対応をするのは、想定内のことだったでしょう。しかし、きのう国会内で開かれた、フィン事務局長と与野党代表らの公開討論会も、「いささか拍子抜け」の感がありました。
「核兵器禁止条約」に理解を示したのは、共産党、社民党、自由党と沖縄選出参院議員くらいのもので、立憲民主党の福山哲幹事長は、北朝鮮の脅威を挙げて「日本は核抑止に依存する安保政策をとっている」などと、民進党の岡田克也常任顧問も、「核抑止に依存している事実は非常に重い」などと語って(東京新聞)、明言を避けたそうじゃないですか。
北朝鮮の核・ミサイル問題に発する「国難意識」は、いまや永田町界隈を広くじわじわと蝕んでいるのかもしれません。

01/16 慰安婦問題についての2015年の日韓合意をめぐって、日韓関係がギクシャクしています。
文在寅・韓国大統領が日本に「自発的で誠実な謝罪」を求めたことに対し、菅官房長官が「1ミリたりとも合意を動かす考えはない」と応じれば、安倍首相も、平昌五輪開会式への出席見送りを臭わせて揺さぶりをかけます。
日本政府のこうした対応を正面から批判する論調が、この国のメディアであまり見られない中、元外務省国際情報局長・孫崎享さんの論考「公式文書すらない日韓合意、韓国の見直しを非難する安倍首相のほうが異常で非常識」は、大いに注目されてしかるべき(Business Journal)─。

それによると、「国際約束の形式」には1)条約、2)行政レベルでの合意書、3)署名なしの合意、の3つがあり、問題の
「合意」は「条約でもなく、外相間で文書に署名を得たものでもない」ということになります。
したがってそのような「合意の効力」は、「基本的に行政機関の存続期間に限られる。もし新たな政権に順守を求めるなら、新たな政権と新たな約束を取り付けるより方法はない」と言いきります。
こうして、「新しい政権の誕生後、国民の関心の高い問題で、新政権が方針を変えることは異常ではなく、…『合意は国と国との約束で、これを守ることは国際的かつ普遍的な原則だ。韓国側が一方的にさらなる措置を求めることは、まったく受け入れることはできない』と息巻く安倍首相が異常なのである」と。なーるほど。

01/15 こちらが呆れている暇もないくらい、よくもまあ、次々と暴言を繰り返すものです。あの「お騒がせ男」トランプ氏が、こんどはアフリカ諸国やハイチからアメリカに来た在留者を指して、こう述べたというのです(ハフポスト)─。

「そんな汚い便所のような国の連中を、なぜ受け入れるのだ」
と。

発言は、災害や紛争などで米国に逃れてきた人々に、一時的に在留資格(TPS)を付与する案について議員らが提案をしたときに飛び出したのだそう。
歴史の歯車が100年も前に逆戻りしたような恐るべきヘイト発言ですが、少し前にも、ハイチ出身者は「全てエイズの罹病者」と言ってみたり、「ナイジェリアからの最近の移民は、決してアフリカの小屋には戻らない」などと言い放ったりしている男のことですから、さもありなん。
持ち前の「下品さ」はとどまるところを知らず、W.Post紙は、そのときの発言としてこうも伝えています─。

「なぜハイチ人がもっと必要なんだ。追い出せ。どうして我々が、ケツの穴(Shithole)みたいな国から来た人々を抱えているんだ」

さすがこれには、あちこちから非難轟々。メキシコのビセンテ・フォックス元大統領は、11日にこうツイートしています─。

「トランプの口は世界一汚いケツの穴だ。誰が米国に迎え入れられ、誰がそうでないのか、何の権限があってお前が決めるというのか。米国の偉大さは、多様性の上にある。自分自身も移民の子孫だということを忘れたのか、ドナルドよ?」

トランプに発する「下品さ」はさて措いて、いやはやごもっとも。

01/12 けさの朝日新聞文化文芸面に、出版取次の窮状を伝える記事がありました(「出版取り次ぎ『もう限界』/一晩で配送55店、積み荷は激減」)。
「出版市場の縮小」で積み荷が激減しているのに、配送先は増えているというアンバランスが、取次業務の非効率を生んでいる、と。
その背景には、コンビニ軒数の激増(この1年で1000店以上も増加)があるということですが、これは主として「雑誌」や「コミック」の世界のお話。
しかし、コンビニでは販売していない「書籍」の場合も、事情は似たりよったり。根本的な原因はやはり、出版物売上げの大幅減にあるということなのでしょう。
1996年のピークを境に右肩下がりの出版市場ですが、昨年末(17年11月)には、ついに以下のような惨憺たるありさま─。

 出版物全体の販売金額:1069億円(前年比−7.8%)
 うち書籍      : 515億円( 同 −3.1%)
 うち雑誌      : 554億円( 同 −11.8%)

世の中の景気が上向いているなどと伝えられる昨今、わが出版界だけが「ブラックホールのようにポッカリと」取り残されてしまった、ってこと?

01/11 そろそろ確定申告シーズンということで、税務署の現場は大忙し。今年は「それに輪をかけ大変な事情」がかぶさっています。
個人事業主から、領収書について「おたくのトップは『書類は廃棄済みで復元できません』で押し通したのに」と、苦情が来ているのだそうです(文春オンライン)。
そりゃそうでしょう。森友学園への国有地格安払い下げ問題をめぐり、国会であれだけ強気の虚偽答弁を繰り返した佐川宣寿前理財局長が国税トップに登り詰めているのですから。
しかもこのお方、後任の太田充理財局長が森友側と近畿財務局の間で「金額のやりとりがあった」までは認めたうえ、「金額の話はしたが、価格交渉ではない」などと「苦しすぎる答弁」に追われていたのに、ダンマリを決め込んだまま。長官就任以来、公の席で何の釈明もしていないのです。
そんな佐川さんが、日本税理士会連合会の機関紙『税理士界』1月15日号の「新春対談」にさっそうと登場、「納税者の皆様の理解と信頼を得て適正な申告・納税を確保していく」だの、「納税者や税理士の皆様から信頼される組織運営を一層進めてまいりたい」などと、「どの顔して言うのか」問われるような発言をしているのだそう(「森友問題どうなった? 佐川国税庁長官が機関紙で "珍発言"」日刊ゲンダイ Digital)。
しかもこの機関紙、いっさいのメディアから逃げまくっている長官氏にとって唯一気の許せる場のようで、特別国会で野党から国会招致を求められていた最中の11月にもご登場─。

「納税者の皆様の理解と信頼を得て、国税庁の使命を十分に果たしていく」ですと。

「理解と信頼」だの「使命」だの、あなたに最も似つかわしくない言葉を吐くのは金輪際、おやめいただきたい。

01/10 このところ沖縄で、米軍ヘリの事故や不時着が相次いでいます。昨年9月以来、5カ月連続で計7回というから、ただ事ではありません。

「なぜ一昨日のニュースをまたやっているのか」

8日、読谷の不時着を報じるテレビニュース見た政府関係者の一人は、2日前に起きた伊計島の「不時着事案」だと誤解したそうです(1月9日付琉球新報)。
かく言う零細出版人も、まるで同じ思いが一瞬頭をよぎったことを白状しなければなりません。それほどにトラブルが頻発している、ということです。
9日、小野寺五典防衛相がマティス米国防長官との電話会談で、「再発防止策」や「点検整備の徹底」などを申し入れていますが、相変わらず「抗議」はしていません。

「本当に言葉を失うほどだ。日本政府も当事者能力がないことには恥ずかしさを感じてもらいたい」

翁長雄志知事がそう憤るのも当たり前。あっちにもこっちにも一向に聞き入れられることのない「沖縄の声」─。もはやそれは「構造的な問題」と言うしかありません。

01/09 米ジャーナリスト、マイケル・ウォルフ氏によるトランプ政権暴露本『炎と怒り:トランプのホワイトハウス、その内幕』("Fire and Fury - Inside the Trump White House")が「発売即売りきれ」の絶好調。
で、この本の最大の成功要因は、「主人公ドナルド氏の反論」にあるようです。
ウォルフ氏が「トランプ氏は精神的に大統領という職務に向いていない」と決めつければ、ドナルド氏は得意のツイッターで、こう反撃します(ロイターコラム)─。

「実のところ、人生を通して、私が持つ2つの最上の資質は精神的安定性と、なんというか、とても賢いということだった」

「私は非常に成功したビジネスマンからトップのテレビスターになり…そして米国大統領になった(初めての出馬で)。これは賢いのではなく、天才に値すると私は思う。それも、いろいろ考え合わせると非常に安定した天才だ!」

ご自分でそこまでおっしゃるのですから、あのお方、やっぱり「幼稚な虚け者」なのでしょう。ウォルフ氏はこうも言っています─。

「誰もが話し、誰もが共通して持っている一つの描写とは、トランプが子どもみたいだということです… この男はものを読まず、話を聞きません。彼はピンボールのように、ただめっぽうに撃ちまくっているだけなのです」

やっぱり、ねぇ。最近なんだか、国際ニュースがプロレス報道化しているのは、そのあたりにあったのですね。

01/05 新年早々「世界の幼稚な虚け者たち」が、自分がお持ちの「物騒なオモチャ」を自慢しあっています─。

片やジョンウン氏が元旦の「新年の辞」で、「核のボタンは常に私の執務室の机の上にある」とやれば、もう一方のドナルド氏は、「俺も核のボタンを持っているが、キム・ジョンウンのものよりはるかにでかく、より強力で、いつでも押せる状態だ」とツイートします。

バッカみたい! いえいえ、正真正銘、バカそのものです。

そんなとき、ローマ法王フランシスコが、被爆直後のナガサキヒバクシャの写真をカードに印刷し、配布するよう指示した、とのCNNニュースは、深い感銘を与えてくれました─。

幼くして命を奪われ首をうな垂れた弟を背負うイガグリ頭の少年が、火葬の順番を待っています。写真のキャプションには、「幼い少年の悲しみはただ、血がにじんだ唇を噛みしめる仕草に表れている」とあります。
法皇は、写真の裏に「戦争が生み出したもの/フランシスコ」と書くよう求めたそうです。
前出の「幼稚な虚け者たち」とは何たる違いでしょう?

01/01 明けましておめでとうございます。
 零細版元を興して30年。あっという間の30年でした。「宮仕え」の身ですと、それは「半生」とでもなるのかもしれませんが、幸か不幸か、零細出版人には「定年」がありません。「自らの身の処し方」について、強く意識せざるをえない今日この頃です。
 では、その間にどれだけのことをなしえたかとなると、何とも心許ない思いに駆られます。でも、「売れた/売れなかった」にかかわらず、少なくとも「貴重な文化的財」を地道に創造し続けてきたことだけは、自負させていただきましょう。
 引き続きご指導ご鞭撻のほど、よろしく。
 
               株式会社 リベルタ出版