back number 2017-12(December)

気のせいか足早に過ぎ去る秋(17.10)

12/29 今年も飽きずに、ぐだぐだ述べ立て、吠え立ててまいりました。
そろそろ時間もよろしいようで、最後くらいはさっぱりと行きたいものです。
では、さよなら。よいお年を。

12/28 原子力規制委員会はきのう、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機が「原発の新規制基準に適合している」とした審査書案を決定しました。
くだんの2基は、6年前に破局的な事故を起こした東電の原発であるとともに、それと同じ沸騰水型軽水炉(BWR)でもあります。
そんなわけで、規制委員会が募集したパブリックコメントでは、「東電に原発の運転資格はない」という意見が多かったし、独自に福島事故の検証を進めている地元・新潟県も、「県による検証が終わらない限り再稼働の議論をしない」という姿勢を崩していません。
米山隆一・新潟県知事はきのう、原子力規制委員会による「設置変更許可」について、こんなコメントを発表しています─。

「本日、原子力規制委員会が柏崎刈羽原子力発電所6、7号機の設置変更について許可しました。
 原子力規制委員会の判断であり、現時点では、その判断について県として異を差し挟む立場にないものと認識しておりますが、柏崎刈羽原子力発電所の安全性を確保するため、まずは、今回の適合性審査の内容について説明を求めるとともに、今後審査結果について検証してまいりたいと考えております。
 なお、福島第一原発事故の原因の徹底的な検証、原発事故が私たちの健康と生活に及ぼす影響の徹底的な検証、そして万一原発事故が起こった場合の安全な避難方法の徹底的な検証の3つの検証がなされない限り、再稼働の議論は始められないと考えており、3つの検証を進めてまいります」(新潟県HP報道発表資料より)。
で、柏崎刈羽原発の再稼働問題について詳しく知りたい方には、渡邊登さんの「核」と対峙する地域社会がお勧め。

12/27 けさの朝日新聞によると、海上自衛隊がヘリコプター搭載護衛艦「いずも」を空母に改修する検討に入りました。甲板を耐熱処理し、最新鋭のステルス戦闘機F35Bを搭載するという話。
しかも、導入の「名目」が後で検討されるというのも、何だかおかしな話ですが、尖閣諸島などの「離島防衛」に活用する「防御型空母」ということのよう。
しかし、F35B戦闘機はレーダーに捉えられにくいうえ、短距離離陸・垂直着陸が可能ということで、攻撃能力は飛躍的に高まります。ってことは、れっきとした「攻撃型空母」にほかなりません。憲法9条2項の「戦力不保持」に反するのは明白じゃありませんか?
このところ「行け行けドンドン」のアベ政権は、「トランプ商会のせぇるすまん」に言われるがまま、地上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」2基、戦闘機に搭載して艦船や地上の目標を攻撃する巡航ミサイルなど「お高い買い物」を次々お約束。
何だかんだで、2018年度予算案では、防衛費が過去最高の5兆2000億円を記録するまでに。
アベ政権下での「日本の軍事大国化」は、もはや押し止めがたいところにまできてしまいました。

12/26 「世界的なトランプ現象」とでも言うべきか、このところいずこでも「事実にもとづかない "言論"」が大手を振るっています。
文芸評論家・小川榮太郎氏による近著「徹底検証『森友・加計事件』/朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪」(飛鳥新社)も、そのひとつと言えるかもしれません。
森友学園への国有地売却問題や加計学園の獣医学部新設問題をめぐり、特定のメディアにこんな悪罵を投げつけています─。

「朝日新聞自身が、どちらも安倍(晋三首相)の関与などないことを知りながらひたすら『安倍叩き』のみを目的として、疑惑を『創作』した」と。

万事この調子で「朝日叩き」に狂奔しているのですが、さすがの朝日もここにきて、「事実に反した誹謗・中傷による名誉毀損の程度はあまりにひどく、言論の自由の限度を超え」、同社の「名誉を著しく傷つけた」として、小川氏と発行元を東京地裁に提訴したそうです。
そんなとき「聞き捨てならぬニュース」を目にしました。米国でオルタナ右翼(alt-right)やレイシストらのニュースネットワーク「ブライトバート」の日本版を立ち上げようという動きがあるというのです(「リテラ」)。
その会長を務めるのは、「米国ネトウヨ業界の親玉」的存在、スティーブン・バノン氏。そして来日中のこの男に「ブライトバート日本支局を開いて」と願い出たのが、"ジャーナリスト" の木村太郎氏だったそう。
こんな「フェイクニュースの元祖」みたいなものが上陸した暁には、「瑞穂の国」は「デマと差別溢れる国」となるにちがいありません。

12/25 けさの朝日新聞、編集委員・高橋純子さんのコラム(政治断簡)は、「ドナドナと革命、荷馬車はゆれる」でした。
いつもながら曰くありげな表題に釣られて食いつくと、なんと大杉栄「鎖工場」を引きながら、アベ政権の「革命の大安売り」─「人づくり革命」と「生産性革命」をやっつけています。
そろそろお上お仕着せのラインや荷馬車から降りて、どう生きるか、どんな社会に暮らしたいか? 自分なりの選択肢を見つけるようにしてはいかが? と。
テンポのいい文章に、「なんかいい気分」になっていたところ、『日刊ゲンダイ』の「注目の人 直撃インタビュー」に、高橋さん独特の文体の「誕生秘話」(?)が明かされていました─。

「読者に読んでもらうには身体性のある表現が必要だ…極端に言うと、論の精緻さよりも、筆者の感情を込めた文章です。筆者がこれだけ怒っているとか、うれしいとか悲しいとか、…筆者の体温が感じられるように書くことが大切だ…」

で、言葉のすり替えやごまかしが当たり前になっている「アベ一強政治」のもとだからこそ、そんなスタンスが求められるのでは? と─。

「欺瞞を正面から論破するのは難しい。だから『なんか嫌だ』『どっか気持ち悪い』などといった自分のモヤモヤした感情をなんとか言葉にして読者に伝えないと、権力に対峙したことにならないんじゃないかと思うんです」

そういえば石破茂氏もいつぞや、まるで正反対の立場から、選挙民のあいだにそうした「モヤモヤした感情」が生まれることを危惧していましたっけ。

12/21 きのうの音声テープは、誰が聞いても、国が「口裏合わせ」をしていることは明々白々。
ところが11月28日の衆院予算委員会でそのことを追及された財務省・太田充理財局長。さすがはアノ佐川宣寿さん(国会で「恥ずかしげもない虚偽答弁」を連発してきた論功行賞で、現国税局長)の後任者です。「必要な資料の提出をお願いした」だけで、「口裏合わせはしていない」などと、しゃあしゃあ答弁しているのです。
一方、前学園理事長・籠池泰典さん夫妻は、7月末の逮捕以来すでに5カ月間も大阪拘置所の独居房に閉じ込められたまま、家族との接見すら禁止されています。
『週刊朝日』12月15日号によると、泰典氏など窓のない独居房に入れられているので、昼夜の区別もつかない「時間が止まった感覚」を強いられ、「それ自体が拷問」となっている(著述家・菅野完さん)そうです。

「籠池さん夫妻はあちこちからさんざんたたかれたりつつかれたりしながら、ようやく逮捕されたわけですから、証拠隠滅の対象になるものはもう何も残っていないと思われます。検察は収集した証拠で十分と判断したから起訴したのだろうし、接見禁止まで付いているのは理解できません」

そう語るのは、元刑事裁判官の安原浩弁護士です。
この間「証拠隠滅」を図ってきたのは、いったい誰なのか?
どう考えても、カゴイケさんの側じゃありません!

12/20 このたび東京新聞・望月衣塑子記者らが公表した「森友」国有地売却協議の音声テープは、とても衝撃的でした。
財務省や国交省の職員が「森友」側に手取り足取り「不正」を指南し誘導する様子が、余すところなく暴露されているのです。そのやり取りを記事から引かせていただくと─、

 国側「3mまで掘ると、その下からごみが出てきたと理解している」
 森友側工事業者「ちょっと待ってください。3m下から出てきたかどうかは分からない。断言できない。確定した情報として伝えるのは無理」〔やや躊躇、狼狽〕
 国側「資料を調整する中でどう整理するか協議させてほしい」〔要請=「不正」への誘い〕
 工事業者「虚偽を言うつもりはなく、事実だけを伝える。ただ、事実を伝えることが学園さんの土地(価格)を下げることに反するなら、〔そちらに〕合わせる」〔やや軟化〕
 学園側弁護士「そちら側〔国〕から頼まれてこちらが虚偽の報告をして、後で手のひら返されて『だまされた』と言われたら目も当てられない」〔懸念の表明〕
 工事業者「3m下からはそんなに出てきていないんじゃないかな」〔補足発言〕
 国側「言い方としては『混在』と、『9mまでの範囲』で」〔提案=ごまかしの指南〕
 工事業者「9mというのはちょっと分からない」〔難色〕
 国側「虚偽にならないように、混在していると。ある程度、3m超もある。全部じゃないということ」〔説得=悪知恵の指南と誘導〕
 工事業者「あると思う」〔言われるがままようやく同意〕
 国側「そんなところにポイントを絞りたい」〔一件落着〕

「行政がどれだけ歪められているか」、これほど赤裸々に示す決定的な証拠はありません。通常の理性を持ちあわせている者なら、もはや言い逃れはできないでしょう。

12/19 「軍事衝突を回避するには、窮鼠猫をかむという状況にしてはいかんのであって、過剰な刺激をしてはいかんのだよ。だけど、トランプ(米大統領)はやりかねない」

そう日頃の危機感を吐露するのは、先ごろ政界を引退したばかりの亀井静香さん─。お名前とはうらはらに、このお方ほど「けたたましく吠え立てる人」は、連日吠え続ける零細出版人も、さすが知らない。
でもこの御仁、「人並み外れたけたたましさ&騒がしさ」の中にも、ときおり光る「理性の輝き」が人を惹きつけて止みません─。

「日本がいくら防衛力強化したって、北朝鮮が核開発するのをどうやって止める? 独立国家だから、国連も誰も止められないし、取り上げるわけにもいかない。厳然として核はあるんだ、目の前に。問題は使用させないこと。イケイケドンドンでプレッシャーばかりかけていけば、不測の事態を招かないとも限らない。(相手が条件をのめば)ご褒美もやらないと」

こうして来春、「ご褒美をやる旅」に出るそう。うーん、なかなかの大人(たいじん)じゃないですか?

「仲良くするしかない。これはお互いに引っ越すわけにはいかないから。隣家の枝が自分の家に伸びてきたからといって切ったら、殺伐となるのは当たり前。お互いに『いい風情になりましたなあ』と眺めていればいい」

以上、「炸裂する亀井節」の出所は、『サンデー毎日』12月31日号。

12/18  保育園の屋根にヘリの部品が落下(12月7日)、小学校の校庭にヘリの窓が落下(同13日)と、米軍普天間基地を抱える沖縄県宜野湾市で米軍ヘリによる重大事故が相次ぎました。
これに対し日本政府は、米軍に「飛行停止」を要請するのではなく、米軍に判断を任せる「飛行自粛」の申し入れに留めています。
そして海兵隊が「飛行中に落下した可能性は低い」と事実を否定すると、あろうことか保育園には「自作自演だろう」「嘘をつくな」といった誹謗中傷の電話やメールが寄せられるようになったそうです。
これに悪乗りし、率先してデマを拡散しているのが、あの百田尚樹氏。12日放送の『真相深入り! 虎ノ門ニュース』(DHCテレビ)で、こう言いきっています(「リテラ」)─。

「どうも調べていくと、これ全部嘘やったっちゅうことです」
「どうもこれは全部捏造やったちゅう疑いがほぼ間違いない」

と、毎度のことですが、このお方、何の論証を添えることもありません。
SNS全盛の昨今、ネット上には、この手の「乱暴な物言い」が大手を振るっているのですが、これと正面から向き合うのが、琉球新報の「モバプリの知っ得!」というコーナー─。

「まとめサイト『だけ』を見ると、自作自演論が大量にならび、『みんな言っているから確かにそうかも...』と一瞬、錯覚してしまいます。…
 こうした眉唾なまとめサイトの情報に『お墨付き』を与えるのは、多くのファンを持つ、論客・オピニオンリーダーです。メディアへの出演、著書などを多数出版し、ツイッターでのフォロワー(観覧者)も多い彼・彼女らが、『マスコミが報道しない真実』などと一言添えて拡散します(事実に基づかないから報じないのは当たり前だろ!と思わずツッコミたくなります)。
 思い込みの書き込みも、大量に集まることで事実のように見え、さらには論客が後押しすることで説得力が増したように感じます(『エコーチャンバー』『サイバーカスケード』現象)。
 インターネット、特にソーシャルネットワーキングサービス(SNS)では似たような意見の人と繋がることが多く、意見が偏りやすいのです。
 情報や意見を受け取る場合は、事実が明らかになっていることを基本に考え、推測が入る場合は割り引いて考え、断言しないこと。そして多方面からさまざまな意見を見聞きすることがネット時代では大事だと感じます。」

これぞ「SNS時代のメディア・リテラシー」ではないかと、強く共感する次第。

12/15 「トランプも顔負けのフェイクニュース」満載の報道バラエティ番組「ニュース女子」(東京MXテレビ)に対し、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会がきのう、「重大な放送倫理違反があった」とする検証結果を発表しました。
槍玉に挙がったのは、本年1月2日に放送された「沖縄基地反対派はいま」。高江地区のヘリパッド建設現場で、反対派住民が「危険な行為をしている」「日当をもらっている」といった「疑惑」をフレームアップ、番組がそれを追及するかの形をとった内容(Cf. 01/30、02/03、02/07、etc.)。
そもそも番組のスポンサーは、経営者が「右筋」で知られる大手化粧品会社DHC。そのスポンサーが企画・制作した「持ち込み企画」を、MXテレビがノーチェックでそのまま流してしまったというのが、どうやら真相。
BPO検証委員会は、「東京メトロポリタンテレビジョン『ニュース女子』沖縄基地問題の特集に関する意見」を、以下の6項目にまとめています─。

 1)抗議活動を行う側に対する取材の欠如を問題としなかった。
 2)「救急車を止めた」との放送内容の裏付けを制作会社に確認しなかった。
 3)「日当」という表現の裏付けの確認をしなかった
 4)「基地の外の」〔「キチガイ」と読ませたかったよう〕とのスーパーを放置した。
 5)侮蔑的表現のチェックを怠った。
 6)完パケ〔すべての編集が終わった完全パッケージ〕での考査を行わなかった。

いやはや、お粗末もここに極まれり。「電波の公共性」ということについて、しっかり学び直していただきたいものです。

12/14 「勝ったぁ!!」 法廷から駆け出るや、外で待機していた人々に息せきって報告する河合弘之弁護士の、ピンクのジャケットが印象的でした。
四国電力伊方原発3号機の運転差し止めを求め、広島市民らが申し立てた仮処分の即時抗告審で、広島高裁(野々上友之裁判長)がきのう、申し立てを却下した3月の広島地裁決定を覆し、「高裁段階では初めての運転差し止め決定」を下しました─。

「阿蘇山(熊本県)の火砕流が敷地に到達する可能性が十分小さいとはいえず、立地には適さない…〔火山噴火による危険について〕原発の新規制基準に適合するとした規制委の判断は不合理で、住民らの生命、身体に対する具体的な危険の恐れが推定される」と。

たとえ巨大噴火のリスクが「1万年に1回程度」であろうと、ひとたびそんなことが起こってしまえば、壊滅的な被害が生ずるのは明らか。
はや人々の記憶から消え去りつつある「フクシマの悲劇」にしても、「想定外の積み重ねが生んだ」ものであることを思い起こすべきでしょう。

12/13 「今年の漢字」は「北」だそうです。何やら意味深な気がしますが、一番の動機はやはり「お隣のキムさんち」のことでしょう。
核にミサイル、拉致問題…。それに最近では「木造船騒ぎ」まで加わって、メディアはコンパス(磁石)のように、「北」ばかり指しています。
そして、この「千載一遇のチャンス」に乗じて、日本の軍事費はうなぎ登りの一途。
けさの毎日新聞によると、04年に導入された「弾道ミサイル防衛(BMD)整備費の累計額が、18年度予算案で2兆円を突破する見通し」で、19年度以降にはこれに「イージス・アショア」2基分2000億円以上が上乗せされる…。
万事が万事この調子で、あれもこれもと米国に言われるがまま買い付けのお約束をするうち、来年度予算案では防衛費が6年連続で増加し、ついに過去最大の5兆1500億円(!!)にも上ってしまいました。
おかげで、このところ米軍需企業の株価は軒並み急上昇。なかでもボーイング、レイセオン、ロッキード・マーチン、ノースロップ・グラマンの大手4社は、この1年で25%も上げたそう。
昨秋、トランプ氏が大統領に当選したとき、米国の著名な軍事アナリストが「真の勝者は軍産議会複合体(MICC)だ」と言ったと伝えられますが、まさに慧眼!

12/12 ノーベル平和賞授賞式では、サーロー節子さんの感動的なスピーチに加え、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のベアトリス・フィン事務局長の講演も、大きな感銘を与えるものでした─。

「米国よ、恐怖(fear)よりも自由(freedom)を選びなさい。…
 核兵器の傘の下に守られていると信じている国々に問います。あなたたちは、自国の破壊と、自らの名の下で他国を破壊することの共犯者となるのですか。
 すべての国に呼びかけます。私たちの終わりではなく、核兵器の終わりを選びなさい!」

なのに、哀しい哉、「世界で唯一の被爆国としての特別な役割がある」(オーストリアのハイノツィ前軍縮大使)とされる我らがニッポン政府は、「条約の署名、批准は行わない」と断言(菅官房長官)。
一部に「ハト派」などとチヤホヤされてきた河野太郎外相も、「共犯者としての救いがたい思考停止ぶり」を世界に向かって露呈する始末─。

「『すべての選択肢がテーブルの上にある』と言う米国が核兵器の使用をやめたら、核抑止は機能しない。現実の脅威がある中で『お花畑理論』をかざすことは、政府としてできない」(10日、朝日新聞の取材への返答)。

「お花畑」とは何事ぞ! ノーベル賞選考委員会は、日本政府に厳重に抗議すべきではないか!?

12/11 かの宰相夫人が「自業自得のつらい1年」を語りながら自ら流した涙の気色悪さ。
「お口直し」に、ノルウェー・オスロのノーベル平和賞授賞式でカナダ在住ヒバクシャ・サーロー節子さんが語った被爆体験に、耳を傾けたいと思います。聞く人の涙を誘わないわけにはゆかない素晴らしいお話でした─。

「…8時15分、私は目をくらます青白い閃光を見ました。私は、宙に浮く感じがしたのを覚えています。
 静寂と暗闇の中で意識が戻ったとき、私は、自分が壊れた建物の下で身動きがとれなくなっていることに気がつきました。…私の同級生たちが『お母さん、助けて。神様、助けてください』と、かすれる声で叫んでいるのが聞こえ始めました。
 そのとき突然、私の左肩を触る手があることに気がつきました。その人は『あきらめるな! 押し続けろ! 蹴り続けろ! あなたを助けてあげるから。あの隙間から光が入ってくるのが見えるだろう? そこに向かって、なるべく早く、はって行きなさい』と言うのです。私がそこからはい出てみると、崩壊した建物は燃えていました。その建物の中にいた私の同級生のほとんどは、生きたまま焼き殺されていきました。私の周囲全体にはひどい、想像を超えた廃虚がありました。…
 今、私たちの光は核兵器禁止条約です。この会場にいるすべての皆さんと、これを聞いている世界中のすべての皆さんに対して、広島の廃虚の中で私が聞いた言葉をくり返したいと思います。『あきらめるな! 押し続けろ! 動き続けろ! 光が見えるだろう? そこに向かってはって行け』」。

そう、「『核抑止』なるものは、軍縮を抑止するものでしかないことはもはや明らか」です。「核兵器は必要悪ではなく、絶対悪」なのです。
この問題について詳しくは、金子敦郎さんの核と反核の70年をご一読ください。

12/08  あのアベ昭枝さんがベルギーの勲章を授与されました。「女性の活躍促進のため声を上げ、リーダーシップを発揮した」からだそうです。
「どこまでも能天気な宰相夫人」ですが、「今年は本当にいろいろなことがあり、つらい1年だった」と、涙ながらにあいさつされたそうです。
万が一にも、やましいところがないのなら、出るところへ出て「しっかリ」弁明すれば、何も泣くこともあるまいに、と思うのですがねぇ。
ところで、『サンデー毎日』12月17日号掲載の「倉重篤郎のサンデー時評」が面白い。毎日新聞の倉重さんが、先般の会計検査院の「モリ・カケ報告」について、元同検査院局長に実名インタビューをしているのですが、宰相夫人もこんなかたちで登場します─。

─国会審議の印象は?

「…森友という固有の事件について、なぜこういうことが起きたかをきちんと分析、解明しないと、本当の改善策にはならない。また同じような事件が起きると感じた」

─まさにその原因とは?

「役人だけでこういうことをやるとは考えられない」

─安倍晋三首相夫人付の女性秘書が財務省宛てに森友側の意向を受けた照会文書を出している。

「あのような文書を投げること自体、あってはならないように思う。…今回もこうやってうやむやにしてしまうと、また外から何かあった場合、同じ問題を繰り返してしまう…
 神戸製鋼、日産、東レなど一連の製造業不祥事に対して、監督官庁がしっかりと原因分析して改善しろと言っているが、今回、政府が森友問題できちんとした原因分析もなしに改善策を図る、というのは民間企業に対して示しがつかないのではないか」

12/07  元共同通信編集主幹、市民社会とメディアの編者・原寿雄さんが先月末に亡くなっておられたことを、けさの新聞で知りました。心からご冥福を祈ります。
原さんといえば、1957年、大分県で交番を爆破して共産党の犯行に見せかけた「菅生事件」を追い、真犯人の警官を捜し出して報道した功績、そして社会部次長の1960年代に「小和田次郎」の筆名で書かれた『デスク日記』で知られる「大ジャーナリスト」(グラムシ)です。
共同退社後も、ジャーナリストとして社会的発言を続けるかたわら、後進のジャーナリスト、ジャーナリズム研究者を鼓舞激励することに力を注ぎました。
そうした場のひとつが、神奈川県茅ケ崎市のご自宅で定期的に開かれた「私塾」でした。そのメンバーに「強要されて」巻末を汚すこととなった「編集者あとがき」を引き、当時の雰囲気を感じていただきましょう─。

「東京・巣鴨のとげぬき地蔵尊は『おばあちゃんの原宿』として広く知られる。その向こうを張ったわけでもなかろうが、湘南は茅ケ崎にも『〔おじいちゃんの〕原塾』がある。老中青ほどよいバランス構成のジャーナリスト、メディア研究者らが定期的に集い、『市民社会』についてなにやら真剣な議論を交わしているという。…
 ところで、持説は歯に衣を着せずいとも明快に発言する一方、つねに他者を自律的な『市民』として扱い、決してそれを押しつけない塾長〔原さん〕のあの懐の深さは、民主主義思想の体現というだけでは説明にならない。それはいったい何なのか? 最近になってようやくわかったのだが、どうやらキーパースンは侃子〔よしこ〕夫人であるらしい。塾の開催日にはいつも素敵な料理を用意して塾生たちを暖かく迎え入れ、塾長がジェンダー論についてとくと語れば、「あなた、そんなこと言えるの?」とカウンター・パンチを食らわせる。そんな夫人のダイコンの煮付けが食べたくて塾に通ったと白状する強者〔つわもの〕もいる。ともあれこの本は、侃子夫人のお力添えがあってはじめて上梓できた、と言っても過言ではあるまい。」

12/06 「北朝鮮の核・ミサイル実験」を奇貨として、このところ「日本の軍事大国化」が急速に進んでいるように思えます。
11月初め、「トランプ商会のせぇるすまん」(死の商人)の口車にノセられて、すでに購入の決まっていたステルス戦闘機や迎撃ミサイルに加え、イージス艦までも米国から買い付ける約束をさせられた日本政府ですが(Cf. 11/07)、こんどは、自衛隊の戦闘機に搭載して地上の目標や海上の艦船を狙える長距離巡航ミサイルの導入を検討しはじめているとのこと。
つまりはコレ、北朝鮮の軍事挑発をもっけの幸に、「このさい敵基地攻撃能力まで持っちゃおう」という話。
そんなとき、きのうの参院外交防衛委員会では、このたび外務副大臣に就任あそばされた佐藤正久議員(陸自出身)が、「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託に応える決意だ」と、自衛官服務宣誓を引用するかたちで、就任の決意を表明する始末。
安保法制の参院強行採決のさい、委員長席に飛び込んで佐藤議員から「鉄拳制裁」をうけた民進党・小西洋之議員が、「軍国主義に外交が支配された戦前を想起させるな」と反発している(東京新聞)というのも、むべなるかなと言ったところ。
おそらく後世の歴史家は、この年(2017年)を「日本の軍事大国化の決定的なターニングポイント」と捉えることになるのじゃないかと思う次第です。

12/04 けさの新聞の週刊誌広告で、長期拘留されている森友学園・籠池夫妻が家族との接見すら許されていないことを知りました。
夫妻が補助金詐欺の疑いで逮捕されたのは7月末ですから、かれこれ4カ月余りも拘束状態にあることになります。それは、9月11日の追起訴後も続いていて、たまりかねた長男・佳茂氏が、「父や母を解放して下さい。明らかに政治の弾圧。権力の弾圧だと思います」と、Facebookで訴えたということのよう。
この一件をめぐって、ジャーナリスト・江川紹子さんが、「森友問題幕引きを狙う安倍政権と、監視すべき『人質司法』の実態」について書いています(「事件ウオッチ」)。
ただし、江川さんは「籠池夫妻の長期勾留は異例なのか?」と疑問符を付けたうえで、これが決して「異例」などではなく、「人質司法の平常運転」であると論じます。
ここで「人質司法」とは、「自白しない被疑者を長く身柄拘束する、日本の司法の悪弊」。ここにこそ「適切な監視の目を向けるべき」と江川さんは主張します。
で、今回の場合、「客観的な証拠は検察が押さえているうえ、起訴されている補助金詐欺で被害者とされているのは、いずれも国や大阪市などの行政だ。夫妻が働き掛けて、被害事実を変更させることは不可能」で、「具体的な『罪証隠滅のおそれ』はないに等しいのではないか」と。
そして、こう締め括ります─。

「行政文書の保存・保管・開示の問題とは別に、司法の『平常運転』に対しても、市民の適切な監視の目を向けていきたい」と。

12/01 会計検査院から「十分な根拠が確認できない」と指弾された森友学園の「国有地格安払い下げ問題」。
政府・与党がさんざん逃げ回った末、ようやく開かれた衆参両院予算委員会審議ですが、「虚偽と言い逃れの壁」にまたしても真相究明を阻まれています─。

「対応している財務省、国土交通省が適切と報告を受けていたので、その理解のうえでの私の発言…」

などと、もっぱら自己保身に汲々とする「最高権力者」の姿勢には、もはや脱力感を覚えるしかありません。
そんなとき、「リテラ」でこんな記事を読みました─。

「もはやこの人〔アベ首相〕は、『過ちは絶対に認めてはならない』との強迫観念にでも取り憑かれているのか、"謝ったら死ぬ病" にでもかかっているのか、と」

そして記事は、政治ジャーナリスト・野上忠興氏の著書『安倍晋三 沈黙の仮面』(小学館)を引きながら、アベが「子どもころから嘘つきだったこと、…嘘がバレても開き直っていたこと」を紹介します。
たとえば宿題をやってこなくても、「うん、済んだ」と答え、「その嘘を咎められても平然としてきた」そうです。
実は不肖零細出版人も「宿題サボり」の常連だったのですが、アベと決定的に違うのは、毎度「忘れました!」と「自白」し、教室の隅や廊下に立たされていたところ。
まっ、今に至るも幼少時の習性を引きずっているような男に「丁寧な説明」を求めることが、そもそも間違いなのかもしれません。