back number 2017-11(November)

たなびく雲の先に霞む南アルプスの山々(17.10)

11/30 おとといの衆院予算委員会での財務省・太田充理財局長の答弁を聞いてからというもの、零細出版人は首をひねったままでおります。
何せ「朝日印刷のタコ社長」みたいなものですから、年末近くに首が回らなくなることは決して珍しくはないのですが、今回はチト様相を異にします。
この春、前任者の佐川宣寿理財局長が、自信満々かつ平然と繰り返した答弁を、まずは反芻しておきしょう─。

「財務局側から価格を提示したこともないし、先方からいくらで買いたいと希望があったこともない」(「私はコレで国税庁長官に栄転できました!?」)

ところがどっこい、この27日の衆院委員会で後任の太田局長は、「金額のやり取りがあった。そこは認めている。…金額のやり取りが一切なかったかのように答弁が受け止められて誤解を招いたとすれば、おわび申し上げる」などと "陳謝" しながら、あまりの苦しさからか、実に往生際の悪い弁明を付け足したのでした─。

「〔財務局側は〕金額は触れたが価格は言っていない」

「だから佐川答弁は間違っていない」とでも言いたのでしょうね。でも、これを聞いた零細出版人も、首をひねるばかりの苦しさに、あまり信頼できないと言われる「Wikipedia」に当たってみたところ─、

「価格(かかく、英: price)とは、有形・無形の各種の商品(サービスを含む)の取引に際して提示される金額をいう。値段(ねだん)とも呼ばれ、サービスについては料金(りょうきん)ということもある。」

で、「金額」の方は「Wiktionary 日本語版」によると─、

「具体的な数字で表した金銭の量」

なんだそう。
どうやら、「意味不明のスコラ論議」に持ち込んで、人々を煙に巻いてやろうという魂胆のようです。
つくづく、「巷間 "優秀" と言われる財務官僚ってのは、その頭脳の使い方を誤っている」と思うばかりです。

11/29 ここ2日間の衆院予算委員会のやり取りを見て、「与野党質問時間を変えたツケの大きさ」を痛感せざるをえませんでした。
とりわけ、与党議員だけが質問に立った1日目は、「仲間内のヨイショ」や生ぬるい質問ばかりが目立ち、耳目をそばだてるような質疑はありませんでした。
それに比べ2日目のきのうは、一部「与党すりより政党」による「なれあい問答」が見られたものの、前日があまりに酷かっただけに、本来の国会審議のありようをいくらか取り戻したかにも思えます。
しかし、圧倒的な時間不足のうえ、衆院での質問時間は答弁時間込みとされるため、閣僚や官僚の「お粗末答弁」や「不誠実答弁」を、だらだら聞かされることになります。
それでもきのうは、以前から知られていた2つの音声データが国会の場に初めて持ちだされ、政府側もその存在を認めざるをえなくなったことは、大きな収穫でした。
それで、森友学園への国の肩入れがいかに常軌を逸したものであったのか、そしてその前段階で、財務省がどう見ても「口裏合わせ」としか思えない工作をしていたことまでもが明るみに出てきたのでした。
自民党内には「いつまで同じことばかりやるのか」といった声もあるようですが、冗談じゃない。真相究明をここまで遅らせてきたのは、不誠実に不誠実を重ね、さんざん逃げ回ってきたアベ首相の責任じゃないですか!?

11/27 けさの毎日新聞「そこが聞きたい」に登場の思想家・柄谷行人さんのお話(「憲法9条の存在意義/ルーツは『徳川の平和』」)には、久しぶりに何か清々しいものを感じました。
柄谷さんは「9条は日本人の意識の問題ではなく、無意識の問題だ」とします。しかもそれは、「自らの攻撃欲動が外に向けられた後、内向して形成される」とするフロイトの「超自我」だと考えます。
占領政策の変更でGHQが日本政府に「憲法改定」を迫ってきたとき、当時の吉田茂首相はこれを退けました。柄谷さんはそれを、日本人が9条を「自主的に受け入れた」事例として見ます。
すなわち、まずは外部の力による「戦争の断念」があり、それが「良心」を生み出し、さらにそれがいっそう「戦争の断念」を求めた─。こうして、いまではそれが、日本人の「文化」にすらなっている、と。
だから、「9条が強制されたことと、日本人がそれを自主的に受け入れたことは矛盾しない」ということに。
それを切り崩そうというのですから、圧勝された「改憲勢力」のみなさんも、ここからが大変というわけ。

11/22 会計検査院はこのほど、森友学園への国有地売却の大幅値引きの理由にされた「地中ごみの量」の算出方法について検証を終え、「国の算出根拠が不十分」で、「ごみの量が過大に見積もられていた可能性がある」との結論に至りました。
そもそも、「最大で深さ9.9メートル、混入率47.1%でごみが存在する」などと、不当に過大な見積りをしたのは、財務省近畿財務局の依頼を受けた国土交通省大阪航空局でした。
ところが、問題が顕在化し疑惑が深まる中、この取引をめぐる交渉記録を「廃棄した」と国会で平然と答弁し続けてきた財務省の佐川宣寿・理財局長が、7月7日付で国税庁長官に「ご栄転」、おまけに、この土地価格の算定に当たっていた国土交通省航空局長も同日付で辞職していたことが、あとで明らかにされます。
で、「霞が関全体での適材適所の人事配置」(菅官房長官)によって「ご栄転」あそばされた国税庁長官氏は、いまに至るも通例の「就任記者会見」を開けないでいるばかりか、「証拠隠滅容疑」で市民団体から告発され、このほど東京地検特捜部がこれを受理、大阪地検へ移送したということです。
「価格について国からの提示や学園側の希望はなかった」などと言い募ってきた、佐川氏の国会での虚偽答弁が炙り出され、「せっかく手にした論功行賞を手放さざるをえなくなる日」も近いのかもしれません。

11/21 先日、山へ行く準備のため、アマゾンでスノーチェーンを取り寄せました。
最寄りのタイヤ量販店で実物を見てから、念のためネットで調べてみると、実にこれが6000円も安くなる。「えっ、そんなに?」となると、ふだんは「アマゾンの天敵」を自任する零細出版人も、たちまちだらしなくなって、ついつい手を出してしまうのでした。
でも、これには余計な「尾ひれ」(?)もついてきました。それからというもの、PCで何か検索するたび、「これを買ったら?」と、やたらタイヤチェーンのスニペット表示が出てくるのです。
さすがにそれは、アマゾンの広告じゃないのでしょうが、そんなもの、何本も必要なわけないのにね?
で、けさの朝日新聞オピニオン面に、『グーグル・アマゾン化する社会』の著者、森健さんが登場、ネットユーザーの膨大なデータが大手ネット企業に一極集中する危険性について説いていました─。

「…ネットを利用するうち、逆にネット企業から利用されているわけです。
 蓄積されたデータは関連性を分析され、それを元に個人の興味や関心に合わせた『パーソナル化』で、お薦めの商品が表示される。次第に『お薦め』に左右され、自分から多様な情報を探しにいかなくなるという弊害が生じます」と。

ウーム、私ゃやっぱり、グーグル・アマゾンがどうにも好きになれない。

11/20 けさの朝日新聞教育面「学びを語る」にご登場、映画監督・森達也さんの「FAKE」論には、大いに共感。
新聞やテレビなどマスメディアが提示する情報を、人々はつい「公正中立で客観的なものだ」と思いがちです。でも、そんなことはありえません。なぜなら、それらの情報はすべて編集され、構成されいるからです。
こうして「事実は一面的ではなく、多面的で多層的で多重的」であることを知ることになります。「コップは横から見れば長方形だけど、上から見れば丸い」と言う森さんのたとえは巧みです。

「できることならネット上のフェイクニュースを全て淘汰するべきだ。でも、そんなことは不可能だ。むしろ、フェイク(偽)とトゥルース(真実)の二元論に陥り、ある情報をたった一つの真実だと思い込むことの方が怖い。発信者の主観が入る限り、ほとんどの情報はトゥルースでもあり、フェイクでもあるからだ」

そう断定する監督の結論は、「絶対的な公正中立」なぞありえない、とするメディア・リテラシーの基本概念と、みごとに共振しています。
詳しくは、メディア・リテラシー:マスメディアを読み解く最新 Study Guide メディア・リテラシー【入門編】メディア・リテラシーの方法、などをお読みください。

11/17 けさの東京新聞(共同通信)によると、ジュネーブの国連人権理事会が日本の人権状況の審査結果を発表、日本に対し218項目からなる勧告を出しました。
なかでも注目すべきは、「報道の自由」を萎縮させる恐れのある「特定秘密保護法」や「放送法」第4条の改正を求めていることです。
「放送法」第4条は、「放送事業者は、国内放送及び内外放送の放送番組の編集に当たっては、次の各号の定めるところによらなければならない」として、以下の4項目を掲げています─。

 1)公安及び善良な風俗を害しないこと
 2)政治的に公平であること
 3)報道は事実をまげないですること
 4)意見が対立している問題については、できるだけ
   多くの角度から論点を明らかにすること

「放送法」本来の主旨を強引にねじ曲げ、これをもっぱら放送局に対する恫喝と規制に使おうとしているのが、第2次以降のアベ政権です。
2014年の衆院選時には、自民党が萩生田光一・筆頭副幹事長名で在京キー局に「圧力文書」を送りつけ、2016年2月には、高市早苗総務相が放送局に「電波停止」の恫喝をかけたことなど、これが悪用された事例は広く知られるところ。
今回の「勧告」は、そんな日本の言論状況がグローバル・スタンダードからすれば「まだまだ」どころか、むしろ年々逆行している点を厳しく突かれているのです。

11/16 衆院選に大勝し「いよいよ驕れる自民党」は、さっそく野党の質問時間の削減に手を付けます。
で、そんなことをすればどうなるのか、「加計学園」問題をめぐるきのうの衆院文部科学委員会質疑は、そのことをまざまざと示してくれました。
これまで「与党:野党=2:8」だった質問時間を「1:2」へと、与党に手厚く変えた質疑のトップバッターは、8月まで文科副大臣を務めていた自民党・義家弘介氏でした。ご存知、「加計学園獣医学部新設」問題の議論に副大臣として直接関わり、この間、文科省から続々出てきた一連の文書にも、「重要なアクター」としてお名前が登場する、「れっきとした当事者」。
そんな人物に30分もの質問時間を与えると─、

「恣意的な報道を繰り返したマスコミ、野党による結論ありきの追及にじくじたる思いを抱いてきた」

などと、貴重な質問時間を使って、何と自己弁護やら、メディアや野党への批判やらを繰り広げたのでした。
おまけに当の文科省の「再調査」で本物と認定された内部文書に対しても─、

「恣意的に打ち替えて作成し、意図的に共有フォルダに入れられた。あるいは逆に意図的に打ち替えられたものが外部に流出させられたという疑念が払拭できない」

などと、何の証拠もなく言ってのける始末。
本来「チェックを受ける側」を「チェックする側」にしてしまう、もっとはっきり言わせてもらうと、「泥棒を検察官に」してしまえば、国会は毎度「田舎芝居と茶番劇の舞台」と化してしまうでしょう。

11/15 「希望の党」の小池百合子代表が、「国政については、やはり国政の皆さんにお任せしたい」と述べて代表を辞任しました。
半年弱で2度の政党代表辞任とは、「ギネスもビックリの無責任ぶり」なのですが、それだけに止まらないのが、このお方のいつもの流儀─。

 「玉木雄一郎共同代表にこの後を任せたい。推挙させて
 いただきます」と。

ん? たった4日前の「共同代表選」は、小池氏が代表を続ける前提で行なわれたものでした。あくまでも「国会で党を代表するリーダー」としての「共同代表」だったはず。
なのに突如として「共同代表」を「代表」に指名、その「新代表」のもと、執行部の顔ぶれも「緑のたぬき」ブランド一色に染めてしまう。
これが「緑のたぬきのお家芸 "排除の論理"」でなくて何なのでしょう?

11/14 「思想家・格闘家」内田樹さんの発言は、いつもながら刺激に富んでいます。今回大いに関心を惹かれたのは、「衆院選:知の巨人・内田樹氏/至極真っ当な提言!/安倍独裁制/本当の正体」と銘打った『サンデー毎日』11月26日号掲載の記事─。

「今の日本の小選挙区制は、わずかな変化は議席獲得数には反映せず、政権与党がつねに圧勝する仕組みだ」

内田さんは、その原因を「低投票率」に求め、政権与党の主たる関心はいかに無党派有権者に投票させないかにある」と断じます。
こうして政権は、「立法府はもう機能していない」という印象操作に腐心することになります─。

「質問に答えず、はぐらかし、詭弁を弄し、ヤジを飛ばし、法案内容を理解していないので野党議員の質問に答えることのできない大臣を答弁に立たせ、審議時間が足りたと思うと殴り合いと怒号の中で強行採決をした。臨時国会の召集要請に応えず、野党の質問を受けるのが嫌さに国会を解散し、選挙後の特別国会では所信表明も代表質問もなしにいきなり閉会しようとした」と。

なーるほど、すべて思い当たるフシがありますね。
「安倍政権のすべての行動が周到に準備されたものである」と内田さんは断じていますが、もしそうだとすれば、この政権、思っていた以上に相当したたかだ、ということです。

11/13 先だって朝鮮労働党委員長氏を「ロケットマン」と呼んで揶揄したばかりのトランプ氏、ベトナムへ行ってもせっせと、幼稚園児のケンカのような文句をつぶやき続けています(HuffPost)─。

「金正恩氏はなんで私を『老いぼれ』と侮辱するのだろうか。私は奴を『チビデブ』だなんて言ってないのに…」

まるで「お前の母さん、デーベーソー」レベルのやりとりですね?
では何で、こんなことになるのか? その秘密を解くカギを、米人ジャーナリスト、マイケル・ペンさんが解き明かしています(「日本人が思っているより深刻な「トランプ危機」『週刊金曜日』11月10日号)─。

「…精神医学界の専門家の多くが、トランプ氏は恐らく自己愛性人格障害であろうと宣言している。…トランプ氏は絶えず賞賛され、崇拝されなければ気が済まない。…自分をほめそやす人は賞賛するが、批判的な相手に対しては最大限の個人的・侮蔑的表現で攻撃する。何十年も激しい恨みを抱き続けるタイプだ。」

そんな人物が「核のボタン」を持ち歩き、世界を動かしているのかと思うとぞっとするのですが、思えば、金正恩氏も習近平氏も、ひょっとしてアベ・シンゾー氏も、似たり寄ったりなのかもしれません。

11/10 さすがは「笑ゥせぇるすまん」、「取引」(deal)だけはお手のものです。
日本と韓国では「北の脅威」をかざしながら、まんまと高額な米国製兵器の大量売り込みに成功したかと思ったら、中国では「貿易不均衡是正」を大義名分に、なんと総額2500億ドル(約28兆円)超の商談をまとめてしまいました。
やっぱりこの男、大統領職なぞ返上して、「せぇるすまん」の本分に戻ってもらうほうが、世界にとってはいくらかマシなのではないかと思います。
一方の「紫禁城の皇帝」習近平氏ですが、「大盤振る舞い」の後の高揚した気分のなせる業なのか、「聞き捨てならぬ言葉」をさりげなく漏らしています─。

「太平洋には中国と米国を受け入れる十分な空間がある」

ですと。
実は前にも同じことを述べているのですが、要は、中国もアジア太平洋地域でのヘゲモニーを握りますよ、という決意表明にほかなりません。
私ゃ、とたんにその昔、英ソ間で結ばれた悪名高い勢力圏構想「パーセンテージ協定」(Percentage Agreement)を思い出してしまいました。
そう、1944年10月のモスクワ会談で、チャーチルが「これでどうだ」とスターリンに示した紙切れには、こんな数字が書かれていたと言われます─。

「ルーマニア王国:ソ連90%、その他10%、ギリシャ王国:英国90%、ソ連10%、ユーゴスラビア王国:50%、50%…等々」

先々、私らは「合衆国51番目の州民」にされるのか、ひょっとして「漢委奴国民」にされるのかってこと?

11/09 「自民圧勝」の衆院選が終わって、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会が2月に提起した「選挙報道における公平性」の問題が、議論を呼んでいます(「衆院選とテレビ」毎日新聞、11月9日)─。

「候補者や政党で取り上げる時間をそろえる『量的公平性』ではなく、取材で知り得た事実を偏りなく報道し、明確な論拠に基づき評論する『質的公平性』を」

BPO「選挙報道についての意見書」はそう求めているのですが、果たしてどうだったのか?─

たとえば、投票日前夜にNHKが放送した選挙特集「党首奮戦〜密着12日間の熱戦〜」は、放送時間の約3割を自民党に割いています。
これに対して上智大の水島宏明さんは、「明らかに自民党重視の配分。NHKほど安倍晋三首相ばかりを露出させた局はなく、NHKはより大胆に与党寄りになった印象がある」と手厳しく槍玉に挙げます。
どうやらNHKは、「改選前の議席数」を目安として機械的にバランスをとっているつもりのようなのですが、これではBPO提言がどう生かされたのか、窺えません。
水島さんは、「どんな論理で公平性を図っているかNHKは説明すべきだ」と指摘していますが、まさにごもっとも。

11/08 またまた「カナロコ」ネタで恐縮です。ホントはきのう、これを採り上げるつもりでいたのですが、話の流れから、横田早紀江さんのお話を優先させていただいた次第です。
で、今回は、人様の「不倫問題」には並々ならぬ関心を寄せる「やじ馬ジャーナリズム」(週刊誌、スポーツ紙、TVワイドショーなど)の餌食にされた山尾志桜里さんのこと。
このたび衆院選で当選した山尾さんが、関係を噂された弁護士を事務所の政策顧問に選任したことをもって、「やじ馬」たちは相変わらず下世話な関心を振り撒いているのですが、「カナロコ」の場合は、もちろん違います。
熾烈なメディアスクラム(集団的過熱取材)を受け、一時は「孤高の境地」に立たされた山尾さんから、「女性政治家ゆえにプライバシーに土足で踏み込まれる風潮に真っ向から抗う」決意を聞き出しています─。

 「選挙後、国会に向かう通勤中の路上で、週刊誌の記者を名乗る男からいきなり、『家の前から後をつけてきました』と声をかけられた。レコーダーを突き付けられてこう問われた。
 『男女の関係はあったのですか』『本当に関係はなかったのですか』。さらに『離婚はしたのですか』─。
 数多くの一般の人々が行き交う衆人環視の下、大きな声でしつこく繰り返し問われた。私はこれまで通り電車で通勤している。普通に考えてみてもらいたい。歩いていて、突然レコーダーを突き付けられ、そんな私的なことを問われる異常さを。
 いったい何の目的で、何の情報を、誰に提供しようと考え、私にそうしたことを問うているのか。
 つまりは『むき出しの好奇心を満たせ』『まだ満たされていないのだ。だから満たせ』と繰り返しているわけだ。
私へのその問いは、どのようにして社会の役に立つのだろうか。政治家としての私を評価する上で、一体何の判断基準になるというのか。」

「むき出しの好奇心になど屈しない」と決然と語る山尾さんに、惜しみない拍手を送ります。

11/07 「日米同盟」なんて言うけれど…。なあーんだ結局、「北の危険」を煽るだけ煽っておいて、落とし所は、どうやら「トランプ商会」の虫のいい武器セールスにあるようじゃないですか!?

「首相は米国からさまざまな防衛装備を購入することになる。そうすれば〔北朝鮮の〕ミサイルを撃ち落とすことができる。日本は大量に買うべきだ。〔そうすれば〕多くの雇用が私たちのために生まれるし、日本がもっと安全になる」

とは、「笑ゥせぇるすまん」(死の商人)の露骨な売り込み口上。
で、一方こちらは、「非常に重要なのは、日本が膨大な兵器を追加で買うことだ」なんて唆されて、自ら進んで「振り込め詐欺のカモ」になろうとする浅はかな客の答辞─。

「日本は防衛装備品の多くを米国から購入している。北朝鮮情勢が厳しくなる中、日本の防衛力を質的に、量的に拡充しないといけない…〔すでに購入が決まっているステルス戦闘機や弾道ミサイルを迎撃するミサイルに加え、イージス艦も〕米国からさらに購入するだろう」

嗚呼「属国根性ここに極まれり」といったところですが、零細出版人としては、同じ日、トランプ氏に面会した拉致被害者家族・横田早紀江さんのお話の方が、よっぽど気になります(神奈川新聞「カナロコ」)─。

−以前から「戦争には反対」と言っていたが。
「拉致被害者が北朝鮮に残されているという理由だけでなく、戦争は全体の破壊、地球の破壊ですから」
−トランプ大統領には伝えたか。
「きょうは喉の調子が悪く、声が出なくて」
−思いは変わらないか。
「戦争は一番いけない。何であんなことをしているのかといつも思う。破壊しているだけ。殺戮をしても何にもならない。生命も何もみんなが無になるだけ」
−本当は伝えたかった。
「いろいろ言いたかったけれど。…私が話せば時間がなくなってしまう」

「軍事力行使も厭わずとする日米両政府の強硬な態度を危ぶむ早紀江さんのお気持ちが、ひしひしと伝わってくるようです。

11/06 きのう大統領専用機「Air Force One」で米軍横田基地に乗りつけたトランプ氏、さっそく同基地内で米兵・自衛隊員2000人の前で演説、北朝鮮のへの軍事的措置の可能性をちらつかせ、こう続けたそう─。

「米軍と自衛隊が肩を並べ、自信に満ち、結びつき、これまでにないほどの能力を持ち、ここに立っている。我々、同盟国の心に自信を吹き込み、同時に、敵の心に恐怖心を食らわす。こうあるべきだと思わないか」と。

米軍総司令官の前に頭を垂れる日本国自衛隊、いかにも「日米同盟」の内実を象徴するような光景じゃないですか?
そしてトランプ氏は、大統領専用ヘリ「マリーン・ワン」に乗って、近所の「霞ケ関カンツリー倶楽部」へ。
そこで日本国宰相が用意していたゴルフ帽には、「日米同盟をより偉大に」という刺繍が施されていたそうです。いかにも木下藤吉郎か、サンチョ・パンサあたりが思いつきそうな「オ・モ・テ・ナ・シ」じゃないですか?
そんな「ドナルド・シンゾー蜜月演出」が、遠からず「ドナルド・シンゾー心中物語」へと変わることを懸念するのは、石破茂氏だけではないでしょう。

11/02 きのう第4次安倍内閣が発足。全閣僚が再任されました。
3カ月前に発足した第3次内閣は、「仕事人内閣」の触れ込みでしたが、結局、仕事らしい仕事を何もしないまま「国難総選挙」へと突入。共産党の小池書記局長から揶揄されたように、「仕事し(師)ない閣」に終わったということ。
この国の憲政史上、そんな先例はなかったわけで、そのあとどうするのか注目していたのですが、結局、何も変わるところがありませんでした。
ならば、600億円からの税金を投じたあの騒ぎは、いったい何だったのでしょう? どう考えても、「モリ・カケ隠し」以外に、思い当たる節がありません。
野党からの臨時国会召集要求を無視し、いっさいの国会審議を必死になって拒み続け、まんまと「国難選挙」に大勝すれば、こんどは特別国会の会期を極力短縮しようとしてみたり、野党の質問時間を大幅削減しようとしたり…。
何だか「幼児性とも思える姑息な動機」が見え見えなんですよねぇ。
で、あれほど騒ぎ立てていた「国難」ってのは、選挙が終われば消え去ってしまうものなんですかね? まるで「元寇」みたいなもんですね?
そうか、それで台風一過のグリーンの上で、「ロシア疑惑」に追われる大統領と、「疑惑」のよしみでゴルフに興じようって算段なのですね?

11/01 不公正な選挙制度と野党のオウンゴールのおかげで、まんまと衆院選に大勝したアベ自民党、選挙直後には、心にもないと思われる「うちゅくしい言葉」を乱発していました(Cf.10/24)。
おそらく言った当人も、もうすっかり忘れてしまっているようなので、再度、引かせていただきましょう─。

「今まで以上に謙虚な姿勢で、そして真摯な政権運営に全力を尽くさなければならない」

ん? その舌の根も乾かないうちに…

「これだけの民意をいただいた。我々の発言内容にも国民が注目している」

なんて言って、こんどは国会での野党への質問時間配分を「見直す」、つまりは「減らす」よう指示したそう。
たった10日前に殊勝な顔して言ったことを、駄々っ子がおもちゃ箱を引っ繰り返すかのように平然と反古にしてしまう。その、いったいどこが「謙虚な姿勢」で、どこが「真摯な政権運営」なのか!?
「モリ・カケ疑惑」も何のその、選挙に勝てば何でもあり。かくしてこの国は、「アベ・ジョンウン体制」の確立に向けてまっしぐら、といったところか?