back number 2017-03(March)

早春のほのかな香りをお届けしたい(17.02)

03/31 昨夜のNHK・BS1「フランケンシュタインの誘惑/科学史 闇の事件簿」シリーズの「宇宙に魂を売った男」は、なかなかの見ごたえでした。
宇宙(月)への憧れから、ナチスのもとでV-2ロケットの開発に従事し、敗戦後素早く米国へ移住、大陸間弾道ミサイルの開発やアポロ計画の月面着陸を実現したドイツ出身の「天才科学者」ヴェルナー・フォン・ブラウンの生涯を追いながら、「科学者の隠れた闇」を照らします。
「科学の光と闇」の二面性を浮き彫りにする宇宙物理学者・池内了さんと天文学者・阪本成一さんの解説が光りました。
ちょうどきのう、この問題に関わる日本出版者協議会(出版協)声明の起草作業をしていたところでしたので、大きな関心を持って視聴することができました。
事のついでに、きのう発表の声明文を披露させていただきましょう─。

 ■軍事目的の科学研究に反対する

 一昨年、防衛装備庁が「安全保障技術研究推進制度」を発足させて以来、いわゆる「デュアルユース(軍民両用)研究」に応募する大学や研究機関が顕著に見られるようになった。
 この「研究推進制度」は、「将来の装備開発につなげるという明確な目的に沿って公募・審査が行われ、外部の専門家でなく同庁〔防衛装備庁〕内部の職員が研究中の進捗管理を行うなど、政府による研究への介入が著しく、問題が多い」(日本学術会議「軍事的安全保障研究に関する声明」2017年3月24日)ことが指摘されている。
 学術・研究の健全な発展のためには、政治や軍事からの介入を排し、科学者・研究者の自主性と自律性を最大限尊重しなければならないというのが、悲惨な戦争からこの国が学んだ重要な教訓であった。
 しかるに昨今、大学や研究機関の間に軍事的安全保障研究が「学問の自由及び学術の健全な発展と緊張関係にあること」(同)を軽視し、「軍事目的の科学研究」に安易に与してしまう傾向が見られるのは、「学問の自由」(日本国憲法第23条)にとっても、ひいては「言論・出版の自由」(同第21条)にとっても由々しきことである。
 前述の日本学術会議声明が「むしろ必要なのは、科学者の研究の自主性・自律性、研究成果の公開性が尊重される民生分野の研究資金の一層の充実である」と訴えているように、その背景には、「潤沢な防衛予算と貧困な文教予算」というこの国の歪んだ予算配分の問題がある。こうして研究費の乏しい研究者が「デュアルユース研究」という名の「軍事研究」に仕向けられている、と見ることもできよう。
 日本出版者協議会(出版協)は、前述の日本学術会議「軍事的安全保障研究に関する声明」に賛同し、「科学者の自主性・自律性が尊重される民生分野の研究資金の一層の充実」を政府に要求するとともに、科学者・研究者には「科学者の社会的責任」を十分果たされるよう強く望むものである。

03/30 で、きのうの「敵基地攻撃能力」論ですが、提言した自民党「弾道ミサイル防衛に関する検討チーム」は、実はこれを「敵基地反撃能力」だと言っているのです。
そこのところを朝日新聞の記者に問われたチーム座長の小野寺五典・元防衛相は、次のように答えています─。

「政府は専守防衛の立場を取っている。先制攻撃ではなく、相手の攻撃に反撃する能力ということだ」と。

あれっ、何だかコレ、稲田朋美・現防衛相の「トンデモ答弁」と論理的な構成がそっくりですね?

「『事実行為としての殺傷行為』はあっても、これは『戦闘行為』ではなくて、『武力衝突』である。…『戦闘行為』は憲法第9条で禁じられているので…」(!?)

今度も同じ「言葉遊び」にすぎません。「反撃」とは称しながら、配備したいと考えているそのミサイルは、「敵基地」を破壊する能力は持っているわけで、当然「先制攻撃」にも使えます。
つまりは、物騒きわまりない「攻撃」という言葉を避けて、いくぶん耳障りがよいと考えたのでしょう、「反撃」という用語でごまかそうって算段に違いありません。

03/29 昨夕から今朝にかけての東京新聞から、気になった見出しを並べてみます─。

■「核禁止条約に日本不参加/被爆者代表『被爆国政府の言葉ではない』」(28日夕刊)
■「自民、『敵基地攻撃』保有提言へ/北朝鮮脅威でミサイル防衛強化」(29日朝刊)
■「高浜原発、再稼働へ/高裁、運転禁止の仮処分取り消し(同)。

ヒロシマ・ナガサキの惨劇から70年以上も「唯一の被爆国」を「お題目」にしてきたニッポン、そしてフクシマの惨禍が6年後のいまも終息していないニッポンですが、いまこの国はそれらの教訓を一気に投げ捨て、忘れ去ろうとしているかのようです。
原子力規制委員会の田中俊一委員長ですら「安全を保証するものではない」と明言していた「新規制基準」を「原因究明や教訓を踏まえたもの」と金科玉条のごとく評価し、これに適合しさえすれば「即、安全」としてしまう恐るべき「司法の堕落」。
「枕ことばで『唯一の戦争被爆国』という言葉をよく使うが、何をするべきかということになると、私たちが期待することと逆のことをする」(藤森俊希・被団協事務局次長)「外務省や政治家の堕落」。
そしてきわめつきが、「集団的自衛権」の容認どころか「敵基地攻撃能力」論まで公然と言い出した「傲り高ぶる自民党の堕落」…。
「汲めども尽きせぬこの国の堕落」の先には、いったい何が待ち受けているのでしょう?

03/28 「一民間人」が「偽証罪」に問われるリスクを犯して国会証人喚問の席に立ったというのに、一方の「一私人」ファーストレディ氏は、公的な場で釈明することがないのはおかしいのではないか、との疑問はいまだに解けません。
証人喚問、参考人招致、記者会見の違いはあれ、国民の約7割がそう考えているよう。なのに政府・与党はもっぱら「臭いものに蓋」で、どこまでも逃げ回り、幕引きに汲々としています。
そんな中、証人喚問終了後間髪を入れず、いかにも唐突に出てきたのが、カゴイケ証言を真っ向から否定する、昭恵夫人個人のフェイスブック掲載のコメントでした。
ところがそのコメントが、どこかうさん臭い。元東京地検特捜検事の郷原信郎弁護士が、その問題点を詳細に検証しています(「昭恵夫人Facebookコメントも "危機対応の誤り" か)。
さすがは郷原さん、目の付け所が鋭い─。
くだんのFBコメントの叙述形式や文体の分析から、「昭恵夫人が書いた言葉としては違和感がある」「典型的な官僚的、公用文書的表現」をひょいとつまみ出し、内容的にもカゴイケ証言への「首相官邸側の反論ないし弁明」そのものであることを示したうえで、あれは「官邸側が作成して、昭恵夫人に投稿を依頼したのではないかとさえ思える」と結論づけています。
そして、零細出版人をして「さすがー」と唸らせたくだり─。

「安倍首相は国会で、昭恵夫人が『100万円の記憶がないのですが』と籠池氏の妻にメール送付したのち、返信がなかったことを、100万円の寄付がなかったことの証明であるかのように言っているが、すでにその100万円の問題について籠池氏が証人喚問されることが確定的になっている状況で、籠池氏の妻がその問いかけに答えなかったからと言って、100万円の事実を否定する根拠にも、昭恵夫人の喚問を拒否する理由にもならない。」

03/27 政府・与党は、きょうの参院本会議で17年度政府予算を成立させ、「森友問題」にケリをつけてしまうのに躍起のよう。
そのことを反映してか、「もっと他にやることがあるだろう」式の論調が、あちこちで聞かれるようになりました。なかには、「もう飽きた」式の声までも…。
しかし、問題の核心はまだまだ闇の中─。

 1)カゴイケ証言の「昭恵氏からの100万円」はあったのかどうか?
 2)アベ首相夫妻は事件にどこまでコミットしているのか? たとえ直接的ではないにせよ、官僚の「忖度」にどれだけ影響を与えたのか?
 3)国有地の賃借が分割払いでの売買に変わり、そのさいに8億1900万円もの破格のディスカウントがなされた経緯は?
 4)財務省がこの件に関する資料を「廃棄した」うえ、「政治家や秘書からの問い合わせはなかった」としていることの真相は?
 5)森友学園が学校設置認可申請のために作った契約書3通の建築事業費の金額がまちまちなのはなぜか?

これらをうやむやにしたまま、「トカゲ本体の延命」を図ろうとするのを許しちゃいけません。

03/24 いやー、実に堂々たる風格でした。与党議員の質問風景から、私ゃ、「木っ端役人に囲まれた石川五右衛門」の姿を思い浮かべてしまいました。
ホントはスネに傷ある与党議員連中が、「何とか偽証罪に引っ掛けてやろう」「証言の信用性を貶めてやろう」と、何本もの投げ縄を蜘蛛の糸のように繰り出す中、堂々渡りあうカゴイケ証人…。
そんな証人の繰り出す証言は、なかなかのものでした─。
「事実は小説より奇なり」には、思わず吹き出してしまいましたが、「議員の言っていることは的外れ」は、毎度おなじみ菅官房長官の常套句「それは当たらない」のしらじらしさに比べれば、胸の空くほど共感できるものでしたし、「たたみかけるようで非常に失礼だ」は、証人席に立つカゴイケセンセの「並々ならぬ決意と覚悟」を知るに余りあるものでした。
なかでも、「一私人付きの政府職員(!?)」谷査恵子氏がカゴイケセンセの依頼を受けて、財務省に照会したことを明瞭に示すファクスの出現は、「一私人」アベ昭恵氏のこのスキャンダルへの関与を疑わせるに十分なものがありました。
で、「虚偽陳述をすれば偽証罪に問われる」証人席で「一民間人」が、重大なリスクを負いながらあれだけの証言をしているというのに、「一私人」ファーストレディ氏の方は、「昭恵夫人は中身には全く関与していない」などと官房長官に言わせているというのは、どう考えてもおかしい。
これはもう、アベ昭恵氏始め、この事件への関与が疑われる他の政治家や官僚の証人喚問が欠かせない、ということです。

03/23 けさの朝日新聞社説は、日本学術会議の「軍事研究声明案」を採り上げていました。
一昨年、防衛装備庁が「安全保障研究推進制度」を発足させて以来、いわゆる「デュアルユース(軍民両用)研究」に応募する大学や研究機関が増えています。
このことを憂慮した日本学術会議が「軍事的な安全保障研究は学術の健全な発展と緊張関係にある」として、政府による研究への介入が強まることへの懸念を表明したのが、今回の「声明案」です─。

「将来の装備開発につなげるという明確な目的に沿って公募・審査が行われ、外部の専門家でなく〔防衛装備庁〕職員が研究中の進捗管理を行うなど、政府による研究への介入が著しく、学術の健全な発展という見地から問題が多い」

として、「むしろ必要なのは、科学者の自主性・自立性が尊重される民生分野の研究資金の一層の充実である」と訴えます。
その背景には、この国の予算配分における「三重の入れ子構造」があるように思います─。まずは大枠としての「潤沢な防衛予算と貧困な文教予算」、次に「文系より理系」、そして理系の中でも「民生研究より軍事研究」といった具合。
文字どおり「貧すれば鈍する」だと思うのですが、先の戦争の深刻な反省から生まれた「軍事目的の科学研究は行わない」という「科学者の社会的責任」を、いまこそ思い起こす時ではないかと思います。

03/22 これまで3度も廃案に追い込まれている「共謀罪法案」が、小手先の目眩しを施し、こんどは「組織的犯罪処罰法改正案」などとして、国会上程することが閣議決定されました。
「組織的犯罪集団に限定する」だの、「重大犯罪を実行するための準備行為があった場合に限る」だの、「対象犯罪を277に絞る」だの糊塗したところで、人の「内心の自由」を犯し、いくらでも拡大解釈される余地があるという「れっきとした悪法」の本質は、何ら変わるところがありません。
前にも白状しましたが、零細出版人はこの悪法案のご先祖様「治安維持法」の犠牲者を父に持っていました。
すでにこの国が「戦時体制」に入っていた1933年、上京して大学に入学したばかりのオヤジは、「京大・滝川幸辰教授罷免反対!」「学問の自由を守れ!」「帝国主義戦争反対!」の垂れ幕を掲げた法文経3学部学生大会が、隣の警察署から出動してきた警官隊に弾圧されるのを目の当たりにし、強烈なカルチャーショックを受けます。
事件後、運動の主要メンバーがキャンパスから消えたあと、セツルメント活動などをしていた彼は、「毎晩帰りが遅い」との理由で特高警察に逮捕され、「治安維持法違反」のかどで市ケ谷刑務所に捕われます。
そして1936年3月末に釈放されはしたものの、その日をもって大学の方は「退学処分」とされたのでした。
そんな「父べえ」を持っていた個人的事情もあり、この悪法に対する零細出版人の嫌悪感は人一倍、というわけです。

03/21 東電福島第1原発事故によって避難を余儀なくされた住民が東電と国に損害賠償を求めた集団訴訟で、前橋地裁(原道子裁判長)は、国と東電の過失責任をはっきりと認める判決を出しました。
裁判のいちばんの争点は、東電が事故を予測できたのか、国は東電に規制権限を行使すべきだったのか、という点にありました。
これについては、国の機関である地震調査研究推進本部が02年に策定した「長期評価」で、「太平洋の三陸沖北部から房総沖の日本海溝でマグニチュード8クラスの津波地震と同等の地震が、30年以内に20%程度、50年以内に3.0%の確率で発生する」と推定。それにもとづいて08年5月、東電は「福島第1原発敷地南部で最大15.7メートルの津波」が発生する可能性を予測していました。実際、3・11に襲った津波は15.5メートルでしたから、かなり正確な予測が立てられていたことになります。
しかし「猫に小判」とはこのことです。東電はこの貴重な予測に何ら適切な対応もしなかったこと、国もそれを放置し、「規制権限不行使の違法」を犯したことが、今回厳しく問われたのでした。
その不作為から、あれだけの事故を起こしてしまったというのに、電力会社にしても国にしても、そうした構図が基本的に変わることはなく、「再稼働」へ向けて遮二無二突進しているというのが、昨今のこの国の風景のようです。
そしてちょうどきょう、渡邊登さんの「核」と対峙する地域社会:巻町から柏崎刈羽、そして韓国へが発売になります。

03/17 昨夜のテレビニュースで、カゴイケさんの自宅から出てきた4人の野党議員(そこには「天敵」共産党のコイケ書記局長の顔も)とともに、カゴイケセンセがインタビューを受ける光景を見せられたのには、度肝を抜かれました。
先だって「あんな学校つくらせちゃいけない。野党には頑張ってもらいたい」と、逆の立場からの「仰天発言」をされたコーノイケセンセなぞ、どこかへ吹っ飛んでしまったかのようです。
そしてきのうはついに、政権が最も怖れていた「カゴイケセンセの捨て身の逆襲」が始まり、「疑惑」は一気に首相の首のあたりにまで迫ります─。

「平成27年(2015年)の9月に安倍昭恵夫人が私どものところに講演会に来られた時、どうぞ、これお使いくださいと。どなたからですかと(聞くと)、安倍晋三からです、とおっしゃった。…領収書はどうしましょうかって(聞くと)、それはもう結構でございますということで…」

学校を現地視察した参院予算委員会メンバーに対し、カゴイケセンセは、そうぶちまけました。
そうなるともう、「民間人だから」などという逃げ口上は使えません。「これは放っておけない」ということで、「参考人招請」どころか急転直下、「証人喚問」が実現することになったというわけ。
それもこれも、この事件が「底なしの一大スキャンダル」に発展する可能性を示唆しているのかもしれません。

03/16 きのう日本外国特派員協会で予定されていた森友学園・籠池泰典理事長の記者会見が急遽、「延期」されました。その理由は明かされていませんが、「その筋からの何らかの圧力」があったであろうことは、容易に推察されます。
それにしてもこのスキャンダル、「小學院」の庭を掘れば掘るほど、連日のように「怪しげなゴミ」の類いがザックザク出てくるのは驚きです。
そして、きのうのサプライズは、ノンフィクション作家・菅野完さんの記者会見─。

「〔国有地売却問題が発覚・報道されてから〕籠池氏の弁護士が財務省の佐川宣寿理財局長から『10日間でいいから身を隠してくれ』と連絡を受けた」(!)

カゴイケさんがそう言っている、と。
そして、この弁護士がその事実を否定したきり辞任してしまったというのも、イマイチひっかかるところ。
「佐川理財局長」といえば、このところ頻繁に国会委員会席に立ち、木で鼻を括ったような答弁を乱発している役人。しばしば「逆ギレ」するかの不誠実な答弁姿勢は、かえって「首相の覚えめでたい」と言われます。
問題はさっそくきのうの国会質問でも採り上げられましたが、そこは厚顔無恥な財務官僚、「隠れてくれなどと言った事実はない」と言下に否定はしたものの、実は「カゴイケセンセの捨て身の逆襲」に、内心怯えているにちがいありません。

03/15 前日までは自信満々断言していながら、動かぬ証拠を突き付けられては、いとも簡単に前言を翻す。
しかも、あれだけ何度も事実に反することを断言してきたのですから、それを取り消すには、それなりの誠意が求められるというのが世の常。なのに稲田朋美防衛大臣閣下におかれましては必ず、「私は本当に自分の記憶に基づいて答弁をしている」などと、つい「顔から火が出る」のではないかと心配になるほどあからさまな言い逃れや、「出廷記録が事実なら…」といった「仮定法のフレーズ」が添えられたりします。
要するに、「どこまでも軽く、どこまでも不誠実に」なのです。そこには、これっぽっちの誠意も感じられません。まっ、これも、「後ろ盾となっているやんごとなきお方そっくり」と言えば、そうなのですがね。
それにしても、けさの東京新聞「筆洗」子の「ルーマニア語談義」は傑作でした。彼の国では、「ウソをつく」というのを「ドーナツを売る」と言うのだそうですが─、

「稲田さんの説明には、どうも大きな穴があいているようだ。なるほど。だからドーナツを売るというのか」ですって。

03/14 で、官邸が「電波ジャックの目くらまし」に使った「南スーダンPKO撤収」そのものも問題だらけ─。
昨年7月に首都ジュバで大規模な「戦闘」や「激しい銃撃戦」(派遣部隊の「日報」)が起こっていたにもかかわらず、これをネグるばかりか派遣期間を延長までして、わざわざ現地部隊に「駆け付け警護」や「宿営地の共同防衛」の任務を与えたのでした。
これはどう見ても、ごり押しして作った「安保法制」(戦争法)の「実績づくり」が目的だとしか思えません。しかも、「ジュバよりは安全な」永田町から命令を下し、自衛隊員を危険な「戦闘地域」に追いやったことは許されません。派遣された自衛隊員たちは、そんな「政治屋の試し斬り」に供されたようなものです。
そうした能天気な政治屋の典型が、稲田朋美防衛相です。「法的な意味での戦闘行為はなかった」などと露骨な強弁・詭弁を弄した国会答弁ばかりか、どうやら「森友スキャンダル」に関わっていたことまで明るみに出つつあります。
04年に「森友学園」が起こした民事訴訟の口頭弁論に、原告側代理人弁護士として出廷したことを、きのう国会で追及されたときには、「知らぬ、存ぜぬ」とシラを切り続けたものの、きょうになって、大阪地裁作成の出廷記録を突き付けられ、「もはや万事休す」と思いきや、この期に及んでもなお「〔弁護士の〕夫の代わりに出廷したのでは、と推測している」などと強弁する始末。
でも、さすがに「籠池夫妻から何らかの法律相談を受けたことはない」「裁判を行ったこともない」などと答弁してきたことについては、「〔出廷記録が事実なら〕答弁を訂正したい」などと言い始めたよう。
あぁ、救いがたいほどの虚言癖! 閣僚はもとより、国会議員としても、弁護士としても失格!

03/13 先週末10日夕のテレビは、「ビッグニュース」が相次ぎました。
「森友学園」理事長記者会見とかで、カゴイケセンセの「一方的な独演会」を聞かされ、いよいよ記者からの突っ込みが始まろうとするとき、突如、「南スーダンPKO撤収」のテロップが入り、カゴイケセンセそっちのけで、「アベ首相独演会」へと切り替えられたのでした。
いかにも不自然な成り行きでした。これで「カゴイケ辞任」も、「金正男DNA鑑定」も吹き飛んでしまいました。
で、カゴイケさんが辞めること自体にニュースバリューはほとんどないのですが、あれほど強気でいたカゴイケさんが、いかにも唐突に申請を取り下げた背景に何があったのかについては、徹底追及しなければなりません。
そんなとき有効なのは、「それによって誰がどう得をしたのか?」と考えてみることです。そうすると、裏に隠された筋書きが見えてくることがあります─。

1)「トカゲの尻尾切りはやめろ」などと、下手すると「飼い主」に噛みつくかもしれない素振りまで見せ始めたカゴイケセンセに、これ以上べらべらしゃべらせておくと、政権にとって決定的に不利になることが出てきかねない。
2)そうさせないためには、カゴイケさんを適当に手なずけ(何らかの取引き?)、申請を取り下げさせたうえ、念には念を入れ、「独演会」で余計なことをしゃべらせないようにする。
3)一方、「南スーダンPKO」をめぐっては、このところイナダ防衛大臣のシドロモドロ答弁などで野党の追及が厳しく、政権は「適当な出口」を探るのに苦慮していた。

そんなことを突き詰めていくと、あれは「官邸の電波ジャック」だったという『日刊ゲンダイ』の見方には、十分な説得力があるように思います。

03/10 「民間人だから…」とか言って、自公両党が必死になって国会招致を拒む当のカゴイケさんが、きのう、「瑞穂の國記念小學院」門前の並み居る報道陣の前に姿を現わし、「国民の皆様にお伝えします」とやってくれました。
ってことは、そんなお方を国会にお呼びできない理由は何もないことになります。ご当人から「国民の皆様に」言いたいことがあるのに、それをさせないというのは、どうやら「させない政治家」らの側に何か後ろめたい事情があるのでは? などと勘繰られても致し方ありません。
現にカゴイケセンセも、つい先だっても会ったのに、雲行きがおかしくなったら、「知らない」(アベ首相?)だの、「10年前にしか会っていない」(イナダ防衛相?)だの言いだす政治家たちに、「しっぽ切りはやめてほしい」と哀願しています。
けどこの方々、元はと言えば「教育勅語」に象徴される「アナクロ的価値観」を共有することで、固い絆を結んできたお仲間同士。
カゴイケセンセが、報道陣に対し「偏向したことをみなさんが考えすぎるから、日本社会はだんだんおかしくなってくる…」とやれば、イナダセンセも負けずに、国会で堂々、「日本が道義国家を目指すという〔教育勅語の〕精神は今も取り戻すべきだと考えている」などと述べ立てています。
で、つくづく思うのですが、そもそもこの程度の方々が、「教育」だの、「道徳」だの、「道義」だのをエラッソーに振り回すこと自体が「ブラックユーモア」であることを、この間の事態は雄弁に物語っているようです。

03/09 夫シンゾー氏がムキになって「私人だっ!」と言い張る「われらがファーストレディ」氏ですが、けさの朝日新聞によれば、「瑞穂の國記念小學院」や「御影インターナショナルこども園」をはじめ、確認できるだけで「20の団体やイベントで名誉会長などの肩書を持っていた」そうです。
こうなると何やら「名誉職マニア?」とでも呼べそうですが、「総理夫人の知名度」を目当てに近づいてくる人たちに、「私の肩書を自由に使って」なんて、どこまでも軽いノリでやっているというのが真相のようです。
それで、「総理夫人という立場だからこそ、私に会ってうれしいと言ってくださる方がたくさんいらっしゃる」と鼻高々のご様子でもあらっしゃるのですが、一方で、「森友学園」のように「何かあった時だけ」でなく色んなところにも行っているのに、「何でそういうのはあまり取り上げていただけないの?」などと、ご自身の取り上げられ方への不満もお持ちのよう。
ってことは、ご当人はかなりの程度、「公的な立場」を自覚しているというわけで、いつまでも「公人じゃないっ!」なんて言い張ってもいられないのじゃないですか?
何せ、問題の「アナクロ幼稚園」での講演に随行した政府職員だって、先だってまでは「私的行為だ」とされていたのに、きのうになって菅官房長官も、「公務として同行した」と訂正(白状)しているんですからね。

03/08 きのう都内で開かれた「ジェンダーを考えるイベント」での「いま世間がいちばん注目する人」のひとり、アベ昭恵氏の発言には、心底驚かされました─。

「いまなんでこういう立場になってしまって、なんでこんなに私は注目を集めてしまっているのだろうと、すごく戸惑っている」

ですって!?
「疑惑のデパート」さながら不正の数々が次々明るみに出てくる、かのカゴイケ「先生の教育に対する熱意は素晴らしい」などと絶賛し、問題の「小學院」の「名誉校長」にまで就任あそばされ、雲行きが怪し気になるや、何の説明もなく「辞任」あそばされた自らの「軽率さ」に、少しもお気づきではないようです。
そんなことですから、「第2の森友学園疑惑」(Cf.03/07)が言われる学校法人の経営する「御影インターナショナルこども園」の、これまた「名誉延長」を務めておられることなぞ、何ら意に介する様子もありません(イマノトコロ)。
ある自民党幹部は、カゴイケさんの国会参考人招致について、「理事長が何をしゃべり出すかわからない。呼ばない選択肢が正解だ」などとホンネを漏らしているそうですが、「軽きこと風船の如し」のファーストレディ氏も、「以下同文」といったところでしょうか。

03/07 校庭に埋まっていたゴミとともに、次から次へと不可解な事実が掘りだされる「森友学園スキャンダル」…。
そのゴミの間に間に、怪しげな政治家たちのシルエットが見え隠れします。しかもそこには、今を時めく宰相やファーストレディの名も、しばしば出てきます。
なーんて書きだすと、「印象操作だっ!」と、やたらムキになって取り乱した声が聞こえてきそうですが、「第2の森友学園疑惑」なんて話も出てきたのには、すっかり度肝を抜かれてしまいました(「リテラ」)─。

「…じつはもうひとつ、森友学園と似た構図の疑惑が安倍首相にもちあがっている。
 昭恵夫人が名誉園長を務め、自分の親友が経営する学校法人のために規制緩和をして、結果、この学校法人が経営する大学に約17万平方メートル、開発費も含めると37億円におよぶ土地が無償譲渡される予定になっているというのだ。」

この学校法人の理事長は、アベ首相の古くからの「オトモダチ」にして、頻繁にお食事したり、ゴルフをプレイしたりする「腹心の友」だそう。
そしてくだんの学校法人が運営する岡山理科大に獣医学部を新設、そのキャンパスを今治に置くという構想になかなか国の認可が下りなかった2015年12月、アベ首相が国家戦略特区諮問会議で、今治市を全国10番目の特区にすることを決定、翌年11月には獣医学部の新設に向けて制度を見直すことを表明します。すると…

「国が認めてこなかった10年がまるで嘘のように、安倍首相の決定によってあまりにも順調に進んでいった加計学園の新学部開設。そして、安倍首相の『腹心の友』の経営する学園はその結果、37億円もの値段の土地をタダで手に入れた」

つくづく「オトモダチ」っていうのはありがたいもんだ、と思わせる実に「麗しいお話」でした。

03/06 築地市場豊洲移転問題についての石原慎太郎元都知事の記者会見は、予想されていたこととはいえ、あまりにひどいものでした。
「覚えていない」「私は専門家じゃない」「部下に任せていた」…「果たし合いに出かける昔の侍の気持ち」って、こんなに無責任なものだったんでしょうかねぇ?
で、「無責任」にもいろいろあるようで、つい先だってまで「私の考え方に非常に共鳴している方」なんて持ち上げていた相手を、1週間して世間様の風向きが怪しくなり始めると、「非常にしつこい」だの、果ては「教育者としていかがなものか」などと、手のひらを返してしまうのも、これまたかなり悪質な「無責任の変種」といえましょう。
しかも、批判の矢が自分のところへ向いてきたとたん、ブチ切れて、「レッテル貼りだ」「印象操作だ」と、あたかも自分が被害者にでもなったかのように当たり散らすというのは理解不能。
そんな「駄々っ子」をたしなめようというわけでもないでしょうが、政治評論家・森田実氏が、こんなコメントをしています─。

「今回の国有地の払い下げの件で首相に問われているのは、直接、指示を出したのか、関わっていたのか―ということではありません。財務省といった国の重要な行政機関が、森友学園のようなある意味、カルト法人の言いなりになって違法・脱法行為に手を染めた疑いがあること。なぜ、そうなったのかといえば、間違いなく安倍夫妻がバックにいたからで、そういう雰囲気をつくり出したのは首相自身なのです。いわば、国政がねじ曲げられる状況をつくり出したのは首相であって、政治家として道義的責任が免れないのは言うまでもありません。政権の緩みが招いたワケで、本来なら内閣を総辞職するべき話です」(『日刊ゲンダイ Digital』3月3日 、「もう止まらない 森友学園大疑獄が安倍政権を吹っ飛ばす」)。

03/03 東京新聞が入手した鴻池祥肇元防災担当相事務所の「陳情整理報告書」によると、森友学園の「国有地格安払い下げ」をめぐり、コーノイケ側が森友・カゴイケ側や国側と接触した回数は、2年7カ月の間に計25回。うち、コーノイケ側とカゴイケ側の接触記録は15回あったそう。
きのう、「無礼者!」とカゴイケに「コンニャク」を投げ返したというコーノイケセンセの「武勇伝」を聞かされたばかりですが、そんな「コンニャク事件」があったのは14年4月。でも、残念なことにその日のことは「整理報告書」にありません。
それほどのことがあったら、そこでプッツンとなるのが普通だと思うのですが、そこはセンセの「人徳」か、はたまた「度量の大きさ」というべきか、「どこが教育者やねん!」「ウチは不動産屋ではありません」などと愚痴を並べながら、その後も、コーノイケ側(神戸事務所?)とカゴイケ側との接触は続いていたよう。
で、「コンニャク事件」その後─。15年1月9日の面会を契機に「カゴイケプロジェクト」は順調に進み、2月10日には国有財産近畿地方審議会が賃借を了承、2月27日には大阪府私立学校審議会が条件付きで設立を認可、5月の契約では、それまで「年約四千万円」とされていた賃料が、一気に「年二千七百三十万円」へとディスカウント…。事態はカゴイケの思惑どおりトントン拍子で進みます。
だが、またもや残念なことに、くだんの「報告書」は、「敷地から新たなごみが見つかった直後まで」で終わります。その後めでたく、「90% offの格安払い下げ」が実現するっていうのに…。

「何かしてほしいということではなく、要望してきたことを(財務局などに)伝えただけ… 政治力を使ったことはないし、そのような政治力はない」

とは、コーノイケ神戸事務所の秘書氏の実に率直とも思える弁です。ってことは、「最終的な格安払い下げ」に行き着くまでには、さらに強力な政治力(「巨悪!」)が働いた、とみるのが穏当でしょう。

03/02 きのうの参院予算委員会、「ある国会議員の事務所の面談記録」を掲げた共産党・小池晃書記局長の追及には、見どころがたくさんありました。「腐臭プンプンの森友スキャンダル」は、いよいよ大きな山場を迎えたようです。
そこには、森友学園・籠池泰典理事長が政治家に口利きを依頼して回ったり、近畿財務局や大阪航空局との「格安払い下げ交渉」を精力的にこなしたりする様子が、事細かに記されています。
与党政治家関与の動かぬ証拠をつきつけられたアベ首相、見るからに取り乱し、「読まれた文書は本当のことかわからない。立証する責任はそちらにある」などと、下手な逃げの一手を弄します。
さらに質問の矛先が、学園と元「名誉校長」氏との関係に及ぶや、またしても逆ギレ─。

「私は公人だけど妻は私人だ! 妻を犯罪者扱いするのは、私は極めて不愉快ですよ! 本当に不愉快ですよ!」と。

だけどねぇ、「瑞穂の國記念小學院」HPには、つい先だってまで、「安倍晋三内閣総理大臣夫人」の肩書きで、「名誉校長」氏の挨拶文が写真入りで掲げられていたんですよ。それでも「公人」じゃないなどと言い張れるんでしょうか!?
などと思っていたら、思わぬところから物事の呑み込みの早い(?)鴻池祥肇元防災担当相が闖入、「森友学園の件であらぬ疑いがマスコミの皆さんにあるのではないかと思い」、緊急の記者会見に及びます。
「戦争法案」の参院委員会強行採決で名を馳せたこのご仁、聞かれもしないのに何と、籠池理事長が「カネか、コンニャクだったか」わからぬ包みを持参して「これでお願いします」と議員会館に現われたことを、身振り手振り交え、事細かに証言してくれました。
「小池・鴻池・籠池3イケメンによる森友バトル」が今後どう展開していくのか、しばらくは参院予算委員会から目が離せません。

とは、またしても『日刊ゲンダイ Digital』(2月28日、「森友問題でメディア懐柔…安倍首相が記者らと中華で宴会」)でした。

03/01  衆参両院、目下沸騰中のイシューといえば、断然「森友学園問題」─。
国有地の格安払い下げ疑惑、いまどき信じがたい「アナクロ教育」、それに宰相夫人の「名誉校長」就任・辞任騒ぎ…と、スキャンダルには事欠きません。
この問題については、『日刊ゲンダイ』報道が群を抜いていると思っていたら、いまやテレビのワイドショーネタにまでなっているとのこと。そして宰相夫人にちなんで、「アッキード事件」などという呼び名も流布されているようです。
そんな中、疑惑の目が向けられ始めたアベ政権と大阪の日本維新の会が、降りかかる火の粉を払うため、「自分たちを熱心に支援してきた学園を見捨て、幕引きを図るつもりだ」との見方も出始めています(『日刊ゲンダイ Digital』3月1日、「窮地の安倍政権 森友学園疑惑は理事長 "口封じ" で幕引きか」)。
それによると、12年4月に大阪府の松井知事が突然、小学校の設置基準を緩和したことが森友参入のきっかけとなり、その後の展開につながったそう。
ところが、次々スキャンダルが明るみに出るにつれ、森友の籠池理事長に「共鳴」していたはずのアベ氏は急に、「私も妻もいっさい関わっていない!」などと言い繕い、松井府知事も急に「不認可」の可能性に言及しだす始末。
というわけで、「政権を守るには、もう籠池理事長に泣いてもらうしかない」ということか?
そんな折も折、おととい突然、アベ首相が官邸担当の記者を集めて、赤坂の中華料理店で「懇談」をしたそうです。そう、「アベ氏の十八番」、あの悪名高い「懇談」というやつです。

「安倍首相と仲良く高級中華を食べた大手メディアは、森友学園のことを報じなくなるのか。国民は監視が必要だ」

とは、またしても『日刊ゲンダイ Digital』(2月28日、「森友問題でメディア懐柔…安倍首相が記者らと中華で宴会」)でした。