back number 2016-11(November)

信州伊那・もみじ湖(16.11)

11/29 きょうは「2人の知事の苦悩する胸の内」を聞かされました。
まずは、就任2周年を前にした沖縄県の翁長雄志知事。米軍のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)新設が条件とされる米軍北部訓練場(同県東村・国頭村)の過半の返還計画について−。

「苦渋の選択の最たるものだ。約4千ヘクタールが返ってくることに異議を唱えるのは難しい」

と、ヘリパッド建設を事実上容認する考えを明らかにしました(琉球新報、11.29)。
一方、辺野古新基地建設については、「あらゆる権限を使って阻止する」との考えを改めて示しています。

次は、きのう鹿児島県議会に第三者機関「原子力問題検討委員会」設置のための予算案を提出した三反園訓知事−。

「〔九電川内原発の〕特別点検の結果報告を委員会で検証し、結論を踏まえてどのような対応が必要か総合的に判断したい」

とはいえ、九電が報告を予定するのは来年1月初旬になってからのこと。これでは、12月8日にも見込まれる1号機の運転再開にはとても間に合いません(朝日新聞、11.29)。

川内原発再稼働に反対する「とめよう原発!かごしまの会」は、「三反園鹿児島県知事の『脱原発』の公約実現を願い、定期検査で停止中の川内原発を2度と動かさないために」知事に対して、次のように求めています−。

1)早急に「原子力問題検討委員会(仮称)」を立ち上げること。
2)再稼働にあたっては、検討委員会において十分な議論を行なった上で、その見解(結論)を尊重し、対応すること。
3)検討委員会の設置が遅れ、その見解(結論)が出ていない場合は、九電に対して、絶対に稼働させないよう強く要請すること。

どちらのケースも根本的な問題は、住民の声に耳を貸そうともしない国や電力会社などの頑なな姿勢にあるのですが、両知事がどこまで踏ん張れるかは、民意と世論の後押し次第です。

11/28 キューバ革命の指導者フィデル・カストロが90歳で亡くなりました。
「革命の英雄が亡くなった」と悲しむ人、「悪魔の独裁者が死んだ」と喜ぶ人。人によってこれほど毀誉褒貶の分かれる人は、滅多にいません。
何を隠そう、若かりしころの零細出版人は、バティスタ独裁政権に抗し少人数で政府軍のモンカダ兵営を襲撃して反乱罪に問われた法廷での堂々たる弁論を読んで以来、すっかりこの人物の虜になっていたのです−。

「わたしを断罪せよ、それは問題ではない。歴史はわたしに無罪を宣告するであろう。…Patria o muerte, venceremos!〔祖国か死か、われわれは勝利する!〕」

やがて戦いの場を異にするチェ・ゲバラとともに、いかにも若者たちを魅了して止まない、とてもまぶしい存在でした。
そして今回、彼の遺言が「火葬にしてほしい」だったことを知り、改めて強い共感を覚えました。
ソビエト時代の「赤の広場」のレーニン廟のように、「ミイラになって晒し者にされるなんて、まっぴら御免」ということなのでしょう。それがあの忌まわしい「個人崇拝」へとつながり、良からぬ後継者たちの権威づけに利用されてきた歴史の愚を繰り返したくない、という強い意思を感じざるをえません。
そして弟のラウルが、国葬の前にその遺志を実行に移したことに、拍手を送ります。

11/25 米大統領選「トランプ当選」をどうみるか? けさの朝日新聞オピニオン欄「(耕論)保護者なき日本」登場のお二方の言い分に共感。
まずは、「祝 トランプ当選」の幟を掲げる社会学者・宮台真司 さん−。

「それは単なる暴力的ポピュリズムの勝利ではない。野放図なグローバル化がもたらす悲惨さを実感できる米国だからこそ、『自明性の枠内で正しいことを言うだけ』の口舌の徒がノーを突きつけられたと見るべきです。」

この「自明性」とは、日本でいえば「対米従属」という政治家・官僚の "伝統的奥義" です。こうした「自明性に埋没した思考停止の蔓延に、気付きが与えられ」たのだ、と。

一方、「永続敗戦論」を掲げる政治学者・白井聡さんも、負けず劣らず手厳しい。世界の首脳の中で誰よりも早く「祝当選」に駆けつけたご仁のことをこう皮肉ります−。

「飼い主を見誤った犬が、一生懸命に尻尾を振って駆けつけた。…恥ずかしい。惨めです。それを指摘しないメディアもおかしい。」

「この国の異様さ滑稽さ、ここに極まれり」といったところです。
トランプ氏の掲げる「アメリカ・ファースト」を、「TPPなど手ぬるい、米企業のために日本はもっと市場を開けろという要求」だとする白井さんの見方にも、まったく同感。
恥ずかしげもなく「朝貢外交」を演じる「おめでたい国」の支配者たちは、従来にも増して「保護者への恭順の意」を示すことになるのでしょう。

11/24 けさの都心は雪混じりの雨。11月の降雪は、実に54年ぶりだそう。"出版不況" に取り憑かれ、いつまでも離してもらえない零細出版人には、ことのほか寒さが身にしみます。

さて、「駆け付け警護」の新任務を命じられた陸上自衛隊PKO部隊の約130人が先日、南スーダンの首都ジュバに到着しました。この意味について、稲田朋美防衛相が朝日新聞のインタビューに答えています−。 

「自衛隊が参加するPKOで、必要な訓練をし、助けられる人は助けるということになる。…過去には自衛隊の活動場所近くで邦人が襲われることがあった。…だが当時は法的な根拠が明確ではなく、訓練もしていなかった。危険にさらされる『しわ寄せ』は、現場の自衛隊員に押しつけられる。…法的な根拠ができたことによって、現場の部隊長は自信を持って対応できるようになった。むしろリスク低減に資すると言える」と。

先般の青森市での派遣部隊壮行会での訓示同様、「現地邦人のリスク低減」を引き合いに出しています。
これに噛みついたのが『日刊ゲンダイ』です。関係者への取材から、「稲田大臣のあざといウソ」を明かします−。

「そもそも自衛隊のPKO参加はあくまで "他国" の平和維持のため。邦人救護が主目的ではない。政府の見解も『駆け付け警護は、救援要請した団体や個人の "国籍" で区別することはない』(内閣府PKO事務局)だ」と。

おまけに、

「日本人のNGOスタッフの割合は1000人に1人。とっくに撤収していることを恐らく知りながら、稲田氏は "邦人のリスク低減" などと言い張っているのだ。まさに『針小棒大』。国民をあざむく、印象操作のそしりは免れない」

だってさ。

11/22 けさは「さぁて、そろそろ出かけなくちゃ」と、読んでいた新聞を畳みかけたところ、グラグラ見舞われました。TVをつけると、アナウンサーが「すぐに津波がやってきます。東日本大震災のときを思い出してください!」と、切羽詰まった声で繰り返しています。
震源は福島県沖、福島や茨城では震度5弱とのこと。そんなときにいつもヒヤヒヤさせられるだけの原発なぞ、さっさとやめにしていただきたいものです。

話変わって、きょうは、安倍・トランプ会談とその報道について、畏友河内謙策弁護士の手厳しい批判(「日本の理性・良識は、どこへ?」IK改憲重要情報、No.167)に耳を傾けていただければ、と思います−。

「…マスコミは、社説で安倍・トランプ会談をもちあげています。…これらの社説等は、沖縄をはじめとした日本国民の要求がどうなったのかという見地も無ければ、トランプの意図を見ぬくという視点もありません。ただ『信頼関係は大事だ』という大合唱をしているのです。
 国と国との関係において、まず分析にすえられるべきは、具体的な関係を具体的に分析することです。指導者どおしの信頼関係や国と国との信頼関係は二の次です。こんなあたりまえのことが、マスコミはもちろん、学者や評論家に通用しない、世界の変わり者、それが日本なのです。日本はリアリズムが通用しない国なのです。日本の外交、それを論評するマスコミの姿勢は、戦前、戦後を通じて一貫しているのです。」

今後も次々露呈するであろう「安倍外交の破綻」について、メディアはもっと眼を見開いて分析し、報道せよ、ということなのでしょう。

11/21 「ブレグジット」(英国のEU離脱)も「トランプ現象」も、「グローバリゼーション・ファティーグ(疲労)」で括れると、エマニュエル・トッドの著書の訳者、堀茂樹さんは言います(「トランプ支持者が求めたのは "差別" による一体感」)。
1980年代に英米に始まり、たちまち世界を席巻した新自由主義的なグローバリズムの波は、昨今、あちこちで躓きを見せ始め、英国のEU離脱国民投票と米国の大統領選挙の結果が「決定打」となって、終わりを迎えることになるだろう、と。
同時にそんな「疲労」が、日本では「アベ首相人気」の一因となっている、と一見逆説的な見方も提起されます。
グローバリズムの席巻に不安を覚えた日本人「個人が『日本人だ』というアイデンティティーにしがみつき、差別によって逆に一体感を得ようとしている」。そうした時代の気分に、左翼やリベラルが応えきれていないから、人々は、「日本を取り戻す」と言いながらTPPに前のめりなアベ政権を支えているのだ、と。
左翼やリベラルに「良いナショナリズム」を主張するよう勧める堀さんは、次のように締め括ります−。

「反グローバリズムの波は、差別や排除を伴う点で要注意ですが、EU離脱やトランプ勝利は、全体としては人類にとってポジティブな変化であると、私は価値判断しています。」

11/18 「趣味やスタイルや人柄はともかく、彼がアグレッシブな実業家であり、大胆なリスクテイカーであり、タフなネゴシエーターであることに疑いはない」−。

次期大統領のことををそう語る樋口耕太郎さんは、米国で不動産金融に関わって以来20年近くトランプ氏を観察してきたそうです。そんな樋口さんが説く日米関係論「ドナルド・トランプという目覚まし時計」には、賛否は別として、とても興味深い論点が含まれています−。

「トランプの『アメリカ・ファースト』とは、国防視点だけではなく、経済視点を含めた政策の合理性を問い直すということのようにも見える。…『日本が相応の経済的負担をしなければ、駐留米軍を引き上げる』という発言の意図は単なる駐留軍の費用負担の問題ではなく、日米同盟のあり方を根源的に捉え直す経済視点から発想されているようにも見える。」

そして、こう続けます−。

「少なくとも、日米同盟の基本構造を、根幹のレベルから捉え直しそうな米国大統領は近年存在しなかった。そしてもし、日米同盟の枠組みに変化が生じれば、日本の政治と経済に最大級の影響が及ぶだろう。これまで代々続いてきた老舗のテナントが、大家である巨大モールから退去を求められるようなものだから、過去70年間、日本の誰も想定してこなかった水準の変化になると思う。そのような未来では、日本経済がいままで先送りしてきたことを、自らの力で切り開かなければならない。日本に対する戦後初めてのウェイクアップ(目覚まし)コールになる予感を感じさせる」と。

11/17 早くから「トランプが俺たちの次期大統領になるだろう」と断言していたマイケル・ムーア監督(Cf.11/15)に対して、フランスの人類学者エマニュエル・トッドさんは、「彼の当選を予言したというより、可能性を指摘した」のだと言います(けさの朝日新聞「耕論」)。
でも、この2人の論者に共通するのは、エスタブリッシュメントや学者・ジャーナリストらには見えていなかった「米国はうまくいっていない」という現実を冷徹に見据えていた、ということのようです。
ちなみにムーア監督は、「ラストベルト」(錆びついた工業地帯)の状況について、前出の「…5つの理由を教えよう」の中でこうアジっています−。

「友よ、グリーンベイからピッツバーグまで、このあたりの人は、イングランドの中流階級と同じだ。疲弊して、元気ががなく、苦しんでいる。
この地域では、いわゆる中流階級の残骸と、田園地域に大工場の大きな煙突が散在している。彼らはレーガンのトリクルダウン理論に騙されて、怒り、辛い思いで働いている(もしくは、働き口すらない)人たちだ。」

トランプ氏はそこを見事に突いて逆転勝利を収めたわけですが、これについてトッド氏は、「経済的な事実認識で優位に立った」と、トランプ氏を評価しています−。

「米国政治の世界は、マルクス主義モデルに戻ったと言えるかもしれません。…彼を選んだのは虐待されたプロレタリアともいえるわけです。マルクスが生きていたら、結果に満足したかもしれません。」

さすがはトッドさん、皮肉もたっぷり利いています。

11/16 きのう、南スーダン派遣の自衛隊部隊に「駆け付け警護」の任務が追加されました。
これは、昨秋強行成立された安保関連法=「戦争法」によってできるようになったとされるもので、自分の身を守るためだけでなく、任務遂行のための武器使用を可能にするという話。
そもそも自衛隊のPKO参加には、「紛争当事者間で停戦合意が成立していること」などの「五原則」があったわけですが、政府の言い分は、ここからして怪しげ。
先だって「現地視察した」稲田朋美防衛相は、「ジュバ市内は、アー、ウー、比較的、オー、落ち着いている」などと言い張っていますが、14日に発表された最新の国連報告書は、まるで正反対のことを書いています。
「日テレnews 24」から引かせていただくと−。

「報告書は、今年8月半ば以降の南スーダンの情勢についてまとめられている。治安状況については潘基文事務総長の所見として『日に日に悪化している』と指摘した上で、『混沌とした状態に陥る見通しで非常に困惑しており、安全保障理事会としても憂慮すべき』と強調している。さらに、『11月に雨期が終われば暴力行為はさらに深刻化する。南スーダンはどん底の崖っぷちにある』と警告している。」

この「混沌とした状態」には、「volatile」という語があてがわれているようですが、これはもともと「揮発性の」というような意味合いです。ってことは、いま目の前が「落ち着いて」いても、すぐにも変わってしまうかもしれない、ということ。
だから、慌てて国連に問い合わせて、「ジュバは比較的安定している」との回答を得た(アベ首相)などと胸を張っても、何の意味もありません。
自らは安全地帯に身を置いて、「駆け付けありき」の勇ましい空論を並べ立てている閣僚たち。そんな者たちの命令で危険地帯へと送り込まれる自衛隊員たちが、あまりに可哀想じゃないですか!

11/15 昨夏から、トランプ氏が共和党の大統領候補になることを予見し、この7月29日には、大統領選挙に勝つと断言していた「マイケル・ムーア監督の鋭い洞察力」には、誰しも驚かされたことでしょう−。

「この浅ましくて無知で危険な、パートタイムのお笑いタレント兼フルタイムのソシオパス(社会病質者)は、俺たちの次期大統領になるだろう」(「ドナルド・トランプが大統領になる5つの理由を教えよう」)。

そして実際にトランプ氏が当選した翌朝には、間髪を入れず、「民主党を乗っ取ろう。そして人々の手に戻すんだ」など、「選挙に負けた今やるべき5つのこと」をぶち上げます。
そんな行動力溢れるムーア監督が、今度は「次期大統領は1期目で辞任か弾劾されて終わるだろう」と、またしても大胆な予測を立てています−。

「これからそういうことが起きる。ドナルド・J・トランプの任期4年まるまる苦しむ必要がなくなる。奴は、ドナルド・J・トランプのイデオロギー以外何のイデオロギーも持っていないからだ。あんなナルシストは、自分の天下になればますます自分に酔うだろう。奴は必ず、たぶん無意識に法を犯す。何が自分にとって最善かということしか考えていないからだ」(「トランプは任期4年を全うできない」)と。

ぜひともそうあってほしい。いいえ、そう思っているだけじゃいけない、と監督は喝を入れます−。「俺たちは抵抗する、俺たちは反対する。…就任式の日は、史上最大のデモになる」と。

11/14 「何でいまTPP法案強行採決なのか?」という零細出版人の素朴な疑問に対し、東大の鈴木宣弘さん(農業経済学)が、そこに込められた「アベ政権のメッセージ」をわかりやすく読み解いてくれています(『日刊ゲンダイ』11月12日)−。

「トランプ大統領の誕生で、オバマ政権のレームダック(死に体)期間に米国がTPPの批准を模索する動きは困難になったと思われる。だが、トランプ新大統領は、『TPPには署名しない。2国間FTA(自由貿易協定)でよい』『日本の負担が足りない』と主張しているので、TPP以上に日本がより一層譲歩させられた『日米FTA』が成立しかねない。この流れに自ら喜んで応じる "決意表明" が、今回の強行採決とみていいだろう。今後、さらに『売国行為』が進む危険性を認識しなくてはならない。」

そして、さらに、

「2国間の力関係の結果、日本はズルズル押し込まれている。今後はさらにこの流れが強まる。『日本の負担が足りない』と言うトランプ氏に渡す "譲歩リスト" を政府はもう作成しているだろう。農産物の関税についてはFTAなどが発効しないと効力が生じないから、米国が2国間FTAなどに切り替えようとする動きは当然予想される」と。

つまり、トランプ勝利翌日の衆院強行採決は、米新政権に向けた「アベ首相の懇願メッセージ」だと言うのです。納得。

11/11 「何で今なのか?」たぶん誰にもわからない「TPP法案」が、きのう衆院を通過しました。しかも、毎度おなじみ「ヨトウムシ諸君の強行採決」によって。
「ポーカー」でも「ババ抜き」でもそうですが、たとえ日本がろくな国会審議もしないで、型通りの国内手続きを整えたところで、相手のトランプ米国が乗ってこないかぎり、この協定(ゲーム)は発効することがありません。
零細出版人には、あの陣笠諸君の心象風景が、とんと理解不能なのです。
さて、「トランプ政権の登場で見過ごせないもうひとつの論点」があります。それは、多くのマスメディアが「日米同盟」などと言ってはばからない「日米軍事同盟」の問題です。
選挙中からトランプ氏が「在日米軍駐留経費の負担増」を強く求めてきたことは、周知のとおり。慈悲深い日本政府は、トランプ氏の鼻息に気圧されて、おそらくはこれまで以上に「思いやり」深くなることでしょうが、その点、肝の据わった沖縄は違います。
けさの「沖縄タイムス」社説([トランプ氏と日米安保]今こそ辺野古見直しを」)は、こんなカウンターパンチを食らわせます−。

「日本側負担を見直すのであれば、米軍普天間飛行場の辺野古移設の見直しと抱き合わせにすべきだ。辺野古見直しによって沖縄の実質的負担軽減を図るその経費として位置づけるのである。
 トランプ氏のアジア太平洋戦略は不透明で、沖縄の基地機能の強化につながる懸念は拭えない。決して楽観視はできない。ただ、実業家で政治経験のないトランプ氏の大統領就任は、膠着した基地問題が動く変わり目になり得る。辺野古移設によらずに、米側も納得できる解決方法があるはずだ」と。

翁長雄志知事も、来年2月にも訪米し、辺野古新基地建設に反対する沖縄の民意をトランプ氏に伝え、米側に計画断念を要請する意向を示しているそうです。

11/10 「嫌われ者同士の大統領選」で、大方の予想を引っくり返してトランプ氏が当選、世の中は上を下への大騒ぎ。
やれ「不法移民は送り返せ!」、やれ「メキシコ国境に壁を築いて、メキシコに払わせろ!」などと、無茶苦茶な「排外主義」を煽ってきたリスキーな候補者を、「移民の国」の選挙民の多数が受け入れた背景には、何があったのでしょう?
よく言われるように、そこには「最富裕層の上位1%が全国民の収入の22%を占める」米国社会のいびつな現実があります。極端な「新自由主義」と「グローバリズム」は、これまで米国社会を支えてきた分厚い中間層を、すっかり疲弊させてしまいました。「米国には中間層はいない。金持ちと貧乏人だけだ」といわれる所以です。
今回の米国民の選択は、そうした「一握りのエスタブリッシュメント」に対する「グローバル化から取り残された人々の反乱」だと捉えることができそうです。
そんなとき、日本の国会では「TPP法案」の採決が強行されようとしています。今回の結果を承けて、米国がTPPから撤退するのはほぼ確実になったというのに、あの人たち、いったい何をなさろうっていうのでしょう?

11/09 大阪府警機動隊員による「土人」発言をめぐっては、政府も「差別的言動」(金田勝年法相)とか、「不適切な発言」(菅義偉官房長官)とか、少なくとも表向きは批判し、「違法」との閣議決定もしたばかり。
ところがこんどは何と、沖縄問題に真摯に取り組まなければならない鶴保庸介沖縄担当相(!)が、これに真っ向から反する見解を表明し、物議を醸しています。
このお方、「土人」発言のあった直後から、

「果たして県民感情を損ねているかどうかにしっかり虚心坦懐、見ていかないといけない」

などと、差別発言を擁護するかの考えを述べ立てていたのですが、きのうの参院内閣委員会で再度その点を問われ、「私個人が大臣という立場で『これが差別である』というふうに断じることは到底できない」と、「閣議決定違反」の立場をいっそう鮮明にしたのでした。

「警察官は市民が持たない権力を持っている。本来はヘイトスピーチを取り締まる立場にある彼らが、ネット右翼レベルの知識、認識しか持たず、沖縄県民に差別発言を行っているのは恐ろしいことだ。このことが徹底して批判され、是正されなければ、沖縄差別はさらに広がっていく。ヤマトゥに住むウチナンチューに実害が及びかねない。そういう危機感を持つ。」

これは、くだんの機動隊員から「土人!」と罵られた芥川賞作家・目取真俊さんが先日「沖縄タイムス」に寄せた論考の一部です。
沖縄担当の閣僚までもがこの程度の認識しか持ちあわせないのでは、「沖縄差別」は止めどなく広がっていくことになるでしょう。

11/08 で、こんどはそのモミイさんが、「来年10月から受信料を月額50円程度値下げしたい」と、経営委員会に提案しているそうじゃないですか。

「今後5年で受信料収入は1千億円も浮く…たまるものは返すのが普通だ」

いやはや、ごもっとも。さすが「民間経営の手腕に長けた人」の言うことは違います。でも如何せん、「隠し事の不得手な人」でもありますから、その下心は透け透け−。

「なぜ今になって急に。過去の失言や非難された点を取り返したいという思いなのか」

と戸惑う「ある経営委員」氏(「NHK籾井会長、続投への布石?/受信料下げに強い意欲」朝日新聞)の勘繰りは、いえいえまったく図星です。
ここはモミイさんに最大限のパフォーマンスを発揮してもらい、これを置き土産に会長の座をお引き取りいただく。そのさい、これまでの「迷惑料」として、退職金はご辞退いただく−。
視聴者にとっては、これがいちばんの解決策となるでしょう。だって、「たまるものは返すのが普通」なんですから。

11/07 先週金曜日、とある地方でNHKローカル枠ニュースを視ていて、何か「キツネにつままれたような感じ」にとらわれました。
キャスターさんの後ろには、いま読み上げているニュースとはまったく関係のない画像がチラついています。乱れた画像には、何だか「小泉元首相『原発ゼロ争点なら与党負ける』」とあるよう。
「えっ、何?」しかし、キャスター氏が読んでいる話題は、小泉さんとは何の関わりもありません。しばし首をひねっていると、番組最後のメニューには、さきほどのニュースタイトルが確かに入っているのでした。
何らかの通信トラブルだったのでしょうが、ひょっとして「このニュース、ヤバイ」と、急遽、取りやめようとした?などと勘繰りたくもなる「モミイNHK」ではあります。
翌日の新聞報道で確かめてみると、4日の金曜日、小泉さんは新潟市で講演し、「野党が一本化し、原発ゼロを争点にしたら与党は負けると分かった。この影響はあまり表面に出てきていないが大きい」と述べた、とあり、先ごろ共産、社民、自由の3野党推薦で当選した米山隆一知事と篠田昭新潟市長の3人で手を取りあう写真が載っていました。
おまけに、えっ?

「野党がこれに気づけば、自民党も安閑とはできない。野党が変わると自民党も変わらざるを得なくなる」

なーるほど、さすがこのお方の感性は鋭い。前に「鈍イチロー」などと、誹謗中傷、罵詈雑言を投げつけたこともありますが、このイシューに関しては撤回させていただきましょう。

11/02 広島カープの15番は「男気」で評判になりましたが、こちらの「クロダ」は、「酒は呑め呑め…」話がデカイばかりで、まるでいただけません。
13年4月には「2%の物価上昇目標は2年程度〔15年前半ごろ?〕で達成する」と、大見得切った「バズーカ・クロダ」日銀総裁ですが、その後は恥も外聞もかなぐり捨て、達成できない原因を「原油安」や「新興国経済の減速」など他人のせいにしながら、次のように言い繕い続けます−。

 15年4月「16年度前半ごろ」→
 15年10月「16年度後半ごろ」→
 16年1月「17年度前半ごろ」→
 16年4月「17年度中」→

おっしゃることが、これだけ猫の目のようにクルクル変われば、もう誰にも信用されないでしょう。
そして、このたび(16年11月)の「18年度ごろ」です。もう、いい加減にしてほしい。ご当人の任期は18年4月までですから、「あとは野となれ山となれ」ということなのでしょうか?
さすがに就任当初のあの鼻息の荒さは影を潜め、「〔2年で実現できず〕残念ではある」なんて少しはしょげてもいますが、「物価がどうなるかということと私自身の任期に特別な関係はないっ!」などと、つい居直ってしまうところは相変わらず。
ってことは、「アベノミクス」なる大風呂敷も、もはや万事休す。これにて御陀仏。
ウマイ話やデカイ話にゃ裏がある。みなさん、「ほら吹き男爵」や「特殊詐欺犯」のたぐいの口上には、くれぐれもお気をつけあそばせ。

11/01 昨夕、仕事の帰り道、何組もの奇妙な風体の若者たちとすれ違いました。渋谷へ向かうのでしょう、夕暮れどきにはギョッとさせられるくらい、顔にグロテスクなペインティングを施しています。
古代ケルト民族の「収穫祭」が起源とされるこの「ハロウィン」、米国ではいつの間にか、カボチャの提灯を飾り、仮装した子どもたちが「Trick or treat!」(お菓子をくれないといたずらしちゃうぞー)と言いながら家々を回るお祭りへと変わってゆきました。
米国留学中にこれに参加した日本人高校生が、訪ねた家の玄関先で撃たれて亡くなったという事件も、記憶に新しいところ。
日本では数年前から、「収穫祭」の意味合いの消えた、単なる「仮装祭り」として、渋谷で行なわれるようになりました。
魔女やゾンビなど気味悪いものからアニメキャラクターにいたるまで、「ひたすらウケを狙おうとする人々」が、夜の帳の下りた街頭に繰り出します。
そういえば先だって、スーパー・マリオに扮して地球の裏側の土管から飛び出した御仁もおりました。あの軽率なお方も、コレっていうことなんでしょう。