back number 2016-05(May)

この花、ワルツ王の名が冠されています(16.05)

05/31 と思っていたら、昨晩、アベ氏は「再延期反対」ののろしを上げた麻生太郎財務相と会談。難なく切り崩しに成功したご様子。
何とも情けない話ですが、つい先ほどまで異論を唱えていた連中まで、急に口をつぐんでしまいました。何だか、危険を察知したセミたちが、一斉に鳴くのをやめるのと同じ行動のようですね。
アベ政治の「最高権力者」は、「泣く子も黙る絶対権力」を手にしたのです。
先だっては、何をトチ狂ったのか、自らを「立法府の長」などと発言した「最高権力者」ですが、そのうち「司法府の長」だなんて言いださないともかぎりません。
甘利明・前経済再生相の現金授受問題を不起訴処分にした東京地検特捜部にしても、その絶大な政治権力のことを慮って、圧倒的な民意に反する決定を下したのかもしれません。
小選挙区制導入以来、この国は、日ごとにお隣の「強盛国家」と似ていくようですね。

05/30 その昔、「万年危機論」などというのを聞いたことがあります−。「資本主義は深刻な全般的危機に瀕しているから、遠からず "革命" が…」などといった、勇ましくも、きわめて粗雑な議論でした。
「狼少年」の寓話にあるように、そんなことを何度も聞かされていれば、「ああ、またかぁ」となるのが関の山。ホントの危機が訪れたときには何もできない、というわけです。
でも、先日のG7でアベ首相が唐突に持ち出した「世界経済危機論」は、いささか趣を異にします−。

「ここで対応を誤れば、世界経済が通常の景気循環を超えて危機に陥る大きなリスクに直面している」

そうやって思いきり広げた風呂敷なのですが、こちらの「ご都合主義的危機論」も、やっぱりウケはイマイチだったよう。
議長国の顔を立てるのが習わしの「首脳宣言」ですら、「我々は新たな危機に陥るのを回避するため、これまで経済の回復力を高めてきたし、今後も一段と努力する」と大幅にトーンダウン。これをして、「新たな危機を回避するため、政策の総動員をG7は約束した」などと強弁するのは、もはや「特殊詐欺」顔負けの所業。
「アベノミクス」の失敗を隠蔽するために「世界経済危機論」を持ち出した議長氏の「浅薄な動機」が、各国サミッターらから見透かされてしまった格好です。
おまけに麻生氏、谷垣氏ら、身内からも批判が出始めたとなれば、議長氏の心中も、さぞかし穏やかならぬものがあるでしょう。

05/26 きのう「伊勢志摩サミット」開幕を前に、日米首脳会談が設定されました。約1時間の会談のうち最初の約20分はオバマ大統領ら少人数の間で行なわれ、沖縄の女性遺棄事件だけに充てられたそうです。
伝えられるところでは、アベ氏が「オバマ大統領に日本の首相として断固抗議し、…実効性のある再発防止策の徹底など、厳正な対応を求めた」のに対し、オバマ氏は「心の底からの哀悼の気持ちと深い遺憾の意を表明した」とされます。
ところが、オバマ氏のこの発言の翻訳をめぐって、日米間でいささかのやり取りがあったことを、けさの毎日新聞(小田中大記者)が明かしています−。

「オバマ大統領は『米国は非常に暴力的な犯罪に衝撃を受けている。言い訳はできず、再発防止にできることはすべてやりたい』と発言。沖縄の基地負担の軽減に日米で取り組むことで一致した。記者会見の公式の通訳は、オバマ大統領が事件に関して発言した『regret』を『哀悼』と訳したが、米側がその後、『遺憾』が正しいとして日本側に修正を申し入れた。」

「哀悼」と「遺憾」、零細出版人が長年培ってきた語感では、こんなことが言えそうです−。
両者はともに「決まり文句」ですから、本当はさほど心がこもっていなくても、よく使われる言葉ではあります。でも、この2つが決定的に異なるのは、「遺憾」というのが、内心どうしても謝りたくないときに、もっぱら体面を取り繕うだけのために使われる日本語だということです。
こう考えてくると、一見どうでもいいかに思える米側の修正申し入れには、意外に深い意味があったのかもしれません。

05/25 「沖縄2紙」のひとつ『沖縄タイムス』が、「[社説] のニュースランキング」というのを発表しています。当然のことながら、いずれも米軍属による女性遺棄事件に関するものが並びます−。

1)[米軍属暴行殺害供述]再発防止策は破綻した(05/22)
2)[無言の意思表示]沖縄の怒り、見誤るな(05/23)
3)[不明女性遺体で発見]米軍がらみ 最悪の結末(05/20)
4)[女性遺棄事件]声上げ立ち上がる時だ(05/21)
5)[オバマ氏との面談]政府の責任で実現図れ(05/24)

ちなみにトップ(05/22)の社説は、「復帰」後昨年末までに米兵による女性暴行事件が、公になっているだけで129件も起こっていることを明らかにしたうえで、こう書きます−。

「米兵による少女暴行事件が起きた際、当時の米太平洋軍司令官が『(犯罪で使用した)レンタカーを借りる金で女を買えた』と発言して更迭された。軍隊が女性の人権をどう見ているかがあからさまだ。その延長線上に事件はあるのではないか。
 95年の県民総決起大会で決議したのは、米軍人の綱紀粛正と犯罪根絶、日米地位協定の見直し、基地の整理縮小−などだった。県民の要求はいまだ実現されていない。」

そして、こう締め括ります−。

沖縄では基地が女性の人権を侵害する『暴力装置』のような存在になっている。『性暴力に脅かされないで当たり前に生きる権利』すら保障できないような政府はもはや政府とはいえない。」

沖縄のこの悲痛な叫びを、「政府とはいえない政府」は、いつまで冷たくあしらい続けるつもりなのでしょう?

05/24 米軍属による女性遺棄事件を受け、きのう首相官邸でアベ首相と会った沖縄県の翁長雄志知事。たった14分間の中での発言は、沖縄県民の抑えきれない怒りを反映し、激越をきわめました−。

「安倍内閣は『できることは全てやる』と枕ことばのように言うが、『できないことは全てやらない』という意味にしか聞こえない」

「基地問題に関して『県民に寄り添う』とも言うが、そばにいたとは一度も感じられない」

これについてけさの『琉球新報』社説は、次のように書いています−。

「しかしこの、かつて例のない発言が何の違和感もなく、言って当然の言葉に聞こえる。それが県民大多数の感覚だろう。
 広島に行く大統領と面会し、基地集中の是正を直接訴える貴重な機会すら、あっさり拒否される。知事は『今の地位協定の下では日本の独立は神話だ』と協定見直しも求めたが、それもゼロ回答だった。知事が言った通り、県民の思いはもはや『心の中に押し込められないくらい爆発状態』である。

オバマ大統領との直接面談を求める知事の願いは、「外交・安全保障に関わる問題は、中央政府間で協議するのは当然だ」(菅官房長官)と、一蹴されてしまいました。
けれども、その中央政府が動こうとしないからこそ、知事は直接面談を求めたのです。首相も官房長官もそのことを、まるで理解できていないよう。

05/23 日本テレビの長寿番組「笑点」の司会者・桂歌丸さんが、きのう引退。その後継は春風亭昇太さんと決まりました。
それにしても、世界広しといえども、半世紀も続いているTV番組というのは他に例を見ないことでしょう。これに始めから出づっぱりの歌丸さんは、もはや「妖怪」のような存在。
ときおり耳にする辛口社会批判の原点は、「戦争法案」に揺れた昨年、朝日新聞のインタビューに語った戦争体験にあるのかもしれません−。

「今、日本は色んなことでもめてるじゃないですか。戦争の『せ』の字もしてもらいたくないですよね。あんな思いなんか二度としたくないし、させたくない」(10.19)。

お疲れ様でした。

番組の舞台裏については、原真さんのテレビの実像:人気番組の舞台裏から政治的圧力までをお読みいただくとして、「いま零細出版人がとても気になること」−。
もちろんこの欄でも何回か採り上げてはいるのですが、このところのマスメディア報道は、「舛添問題」ばかりを必要以上に露出させているように思えるのです。
このセンセのあまりにセコイ行状と、見苦しいばかりの弁解は、誰にもわかりやすい「悪」なのですが、所詮は「小悪党」。
「睡眠障害」とやらの甘利サンは、どこか安全地帯に身を潜めたまま、五輪招致の裏の黒い疑惑もほとんど解明されていません。
メディアが炙り出すべき「巨悪」は、まだまだあるように思えてならないのですが…。

05/20 またしても繰り返された沖縄米軍関係の凶悪事件。本土では、「どこかよそ事」の受けとめ方も見られますが、けさの『沖縄タイムス』社説「米軍属女性死体遺棄/日米両政府に責任/防止策は基地撤去しかない」は、書き出しからして、さすがに衝撃的でした−。

「今、こうやってパソコンに向かっている間も、打つ手の震えを抑えることができない。どうか無事でいてほしいという家族や友人、多くの県民の思いは粉々に砕かれてしまった。」

米国から帰国したばかりの翁長雄志知事も、「言葉が出てこない」と絶句したそうです。1995年の「米兵少女暴行事件」後も、在沖米軍関係の凶悪犯罪は、いまだに跡を絶ちません−。

「米軍基地が集中するために脅かされる命と女性の人権。米兵や米軍属の犯罪におびえて暮らさなければならない日常が戦後71年たっても続くというのは、あまりにも異常である。」

こうしたときにいつも聞かされる「綱紀粛正」「再発防止に努める」といったリップサービスでは、もはや収まりません。本当に再発を防止しようとするなら、米軍基地を撤去するしかありません。辺野古の新基地建設など、もってのほか。
日本政府は、オバマ訪日の機会に、せめて事件への厳重抗議の姿勢を示してほしいものです。

05/19 このところ、消費税率引き上げ再延期の観測がしきりです。
アベ首相はきのう、国会の党首討論では相変わらず、「リーマン・ショックあるいは大震災級の影響のある出来事がない限り…」なんて言っていましたが、裏では着々と「再延期する意向を固め…表明時期やいつまで延期するかなどを巡り与党内の調整に入った」(けさの東京新聞)ということです。
当初は15年10月に予定されていた「引き上げ」ですが、14年11月に早々と延期を決め「その信を問う」として衆院を解散、まんまと圧勝したのでした。でも、あのときは確か「再び延期することはない」などと明言していたはずなのですがねぇ。
零細出版人はもともと、逆進性の強い消費税には反対なので、別に上げてくれなくても結構、いえいえ、上げてもらっちゃ困るのですが、こう何度も前言を翻すようなご仁は、まったく信用できません。
でも、このことは、「バズーカ」まで持ち出して鳴り物入りで喧伝してきたアベノミクスなる「世紀の愚策」の失敗を、みずから容認せざるをえなくなった、ということでもあります。

「銀行で100万円を借りた私に、もうかったねという人がいたら馬鹿です。しかし、これが実際の経済で起きている。たとえば国がGDPの7%の借金をする。それを注入して1%か2%くらい経済が伸びる。そしたら、多くの経済学者が『ハレルヤ、もうかったぞ』と喜びの声を上げる。ものすごいナンセンス。しかも借金という麻薬、覚醒剤を使う…」

けさの朝日新聞メディア欄のインタビューに登場したチェコの経済学者、トーマス・セドラチェクさんの「しじみ汁の経済学」は、二日酔い気味の零細出版人には、実にさわやかでした。
なんだか、無性にしじみ汁がすすりたくなりましたです、はい。

05/18 でも、よくよく考えてみると、怪しげなコンサル会社に「正当な業務に基づく」大金を支払った五輪招致委員会が「キツネに化かされた」のだとすれば、最終的にその出費を負担させられる私らは、招致委員会の「タヌキに化かされた」ということになるのかもしれません。
フランスの検察当局が嗅ぎつけたくだんの賄賂性の大金が動いたのは、2013年秋のこと。そう、アラブ諸国での「集票工作」からブエノスアイレスに駆けつけたアベ首相が、「アンダーコントロール」の大うそをつき、「トキオ。ウワーッ!」「オ・モ・テ・ナ・シ」と、マスメディアがはしゃぎまくる前後のことでした。
ところが、そこからほどなくして、次々メッキが剥げ続けます。15日の『日刊ゲンダイ』Digital 記事は、座布団3枚ものの白眉です −。

「思えば、招致活動で安倍首相が『汚染水はアンダーコントロール』とウソ八百をついたことがケチのつき始めだった。当時の猪瀬都知事は『政治とカネ』で辞任し、その後も競技場の設計や建設費、エンブレムで問題が頻発。トドメが今回の裏金問題だ。『アンダーコントロール』が“袖の下”だとすれば、まったくシャレにならない。」

この問題、マスメディア自らも深くコミットしているせいか、その報道にはイマイチ迫力がありません。「マスゾエ・セコ疑惑」ともども、追及の手を緩めることなきよう、返す返すもよろしく。

05/17 けさの東京新聞コラム「筆洗」は、落語「王子の狐」のネタから始まります。
江戸は王子の稲荷のキツネが娘に化けるのを見かけた男が、その娘を玉子焼きで有名な「扇屋」に誘う。そこでしこたま呑んだ男は、酔った娘を置き去りにしてドロン。男は、ちゃっかり持ち帰った折り詰めを仲間に渡そうとするが、キツネの祟りを恐れた仲間に受け取りを拒まれる、といった展開。

「名高き料理とはいえ、怪しい入手方法を聞けば、歓迎はできまい」

ということで、読者はいつの間にか、五輪招致をめぐる「現代の生臭い不正疑惑の世界」へと連れ戻されます。稲荷のキツネさながら、筆洗子の巧みな書きだしに、してやられました。
それにしても、五輪招致委員会が怪しげなコンサルタント会社に支払ったとされる2億3000万円ですが、竹田恒和・日本オリンピック委員会(JOC)会長が言うような「正当な業務に基づくものだった」などとは、とうてい考えられません。
「ペーパーカンパニー」を疑われるシンガポール法人の、零細出版社をはるかに凌ぐあの雑然とした事務所の写真を見ただけでも、「キツネに化かされた」のは明白。

05/16 舛添要一都知事が12日の記者会見で約束された「全力を挙げて精査した結果」が、翌13日の会見で明らかにされました。
この日の記者会見の模様を、14日の『日刊ゲンダイ』Digital は、こう伝えています−。

「正月の "会議" が家族旅行と一緒になったのは、『子供との約束のため』。東京ではなく千葉のリゾートホテルで会議をしたのは『マスコミに追われていたから』。領収書に宛名がないのは『店側の都合』。飲食費の公私混同は『会計責任者のミス』。何から何まで『人のせい』なのだ。」

このあたりに、舛添サンの「人間性」が遺憾なく発揮されているようです。
木更津市のホテルへの宿泊は2度とも「家族旅行」として予約したのだけれど、家族と一緒のその部屋で「事務所関係者と参院選や東京都知事選などについて協議した」ので、「政治活動として処理した」という。
しかし、その "会議" の参加者も、参加人数も「政治的な機微に関わる」ので、まったく明らかにできない。こんな下手な言い繕い、いったい誰が信じます?
しかも、「誤解を招いたので返金する」と言いだしたのでは、もう支離滅裂。この程度のご仁に、よく "学者センセ" (トーダイ助キョージュ)が務まったもんだ、と感心するばかり。
「5000万円ヤミ献金問題」の言い逃れに右往左往し、あれよあれよという間に、自作の虚構の泥沼に溺れ沈んでいった前知事の "作家センセ" の末期と、まるで同じお芝居を見せられているかのよう。

05/13 「忸怩たる思い」をしていたのは、歴代米大統領ばかりではありませんでした。東京都の舛添要一知事も、目下、同じ思いをしておられるようです。ただし、こちらの方は、いささかセコイ話ではありますが…。
このお方、よほどテレビ出演がお好きなようです。先だってはTBS「NEWS23」に生出演して、キャスターから公用車の私的利用や海外豪遊出張問題を問い詰められ、シドロモドロのみっともない弁明に明け暮れたばかりですが、昨夜は、BSフジの「プライムニュース」に出演、「恥の上塗り」にコレ努めておられます。
きのうのメインテーマは、同氏が代表を務めていた資金管理団体「グローバルネットワーク研究会」が「会議費」の名目で千葉県内のホテルに支出した約37万円が、実は舛添氏の家族旅行だったという、これまたセコイ話の真偽についてでした。
番組冒頭では、「都民のみなさんにご心配をおかけしている。心からおわびしないといけない」だの、「非常に恥ずかしい」だの、「忸怩たる思い」だの述べ立ててはおられますが、肝心の主題「政治資金の使途や週刊誌報道内容の事実関係」については、「資料を精査し、全体像がわかってから説明する」と繰り返すだけ。
そして、

「もしこれがミスだとわかれば、返金しないといけない」

ですって!? 嗚呼、どこまで厚顔無恥な男なのでしょう。そんなことの「全体像」なぞ、「資料を精査」しなくたって分かろうというものです。
そういえば、前任者も前々任者もそんなことがありましたっけ!

05/12 きのうの米大統領報道官記者会見によると、オバマ大統領は広島訪問時に「大々的な演説」を行なう予定はなく、「自らの思いを語る」程度に収めるよう(けさの東京新聞)。
米国内世論に配慮して、早くも腰が引けたご様子ですが、ならばここに、「歴代大統領の忸怩たる思い」を拾い出しておくのも、決して意味のないことではないでしょう(核と反核の70年:恐怖と幻影のゲームの終焉、pp.335-336)−。

■トルーマン
「これからの戦争は一撃で数百万人の生命を吹き飛ばし、大都市を破壊し、過去の文化的遺産を消滅させ、数百世代にわたって築き上げてきた文明を抹殺するようなものになる。そのような戦争は理性ある人間が取り得る政策ではない。」
 
■アイゼンハワー 
「戦争とはオール・オア・ナッシングだ。始めたら最後まで行ってしまうものだ。限定戦争なんてない。限定戦争だからといって戦争を始めてはならない。」

■ケネディ
「人類はか細い一本の髪の毛で吊るされたダモクレスの剣(核兵器)の下にいる、事故や誤算や狂気がこの毛を断ち切るかもしれない、落ちてきた剣が人類を滅亡させる前に剣を取り除かなくてはならない。」

■ジョンソン
「核兵器は通常兵器と同じではない。…それは、結果がどうなるか誰もわからない攻撃と反撃の道へとわれわれを引き込む。いかなる大統領もそのような決定をくだした責任は取りようがない。」

■ニクソン   
「〔自らの核威嚇外交を「狂人理論」と呼んで〕ニクソンは狂人だから何をするかわからないと相手に思わせるのだ。それが抑止力になる〔正気の人間になら核は使えない〕。」

■カーター
「核戦争に勝者はない。米国自身、あるいは同盟国が核攻撃を受けた時以外に核兵器は使わない。」

■レーガン 
「核兵器を憎む。核ホロコーストの脅しによって平和が維持できている今の状態には耐えられない。『ザ・デー・アフター』が描く世界そのままだ。非人道的で受け入れがたい。核戦争に勝つと思うのはクレージーだ〔米軍の核戦争計画の説明を受けて〕。」

05/11 オバマ米大統領の広島訪問が決まりました。まずは、歓迎の意を表したいと思います。

「われわれは21世紀においてすべての人々が恐怖から自由に生きる権利を持つという立場に立たなければならない。米国は核保有国として、そして核を使用した唯一の国として行動すべき道義的責任がある」(核と反核の70年:恐怖と幻影のゲームの終焉、p.287)。

7年前プラハで、同氏は「核なき世界」をこうブチ上げました。もっとも「私の生きている間には達成できないだろう」とも述べていますが、それでも最後は、「Yes, we can!」で締めていました。
この「誇大広告(?)」で、彼は、ノーベル平和賞まで受けとることになってしまったわけですが、軍産複合体による予想を上回る抵抗に遭ったのでしょう、その後はすっかり口をつぐんだまま。
零細出版人など、「佐藤栄作のと一緒に賞を剥奪してしまえ!」なんて息巻いていたのですが、まっ、何はともあれ、"レームダック" になる前に、ヒロシマ被爆の実相を目にしてくれるだけでも、「汚名挽回の第一歩」となるのかもしれません。
けさの朝日新聞で被爆者のひとりが語っていたように、せめて広島では、「核廃絶の夢」を語るのではなく、「強い意思」を語ってほしいものです。

05/10 と、そんな冗談を言っていたら、さっそく北朝鮮当局がやってくれました。くだんの党大会の取材にやってきた英BBCの記者が勾留され、8時間にわたる尋問の末、国外退去処分になったということです。
同記者はピョンヤン市民の暮らしぶりについて、一般市民に直接取材して伝えたのですが、どうやらそれが「法秩序に違反して、文化風習を非難するなど我が国の現実を、歪曲、捏造して報道した」とされたよう。
それにしても、あまりにあからさまな「報道の自由」の侵害です。肝心の党大会の取材ができずヒマを持て余していた各国メディアの報道陣は、なぜ結束してこれに抗議できなかったのでしょう?
改めて、「国境なき記者団」による「世界報道の自由度ランキング」2016年版を紐解いてみると、なーるほど、北朝鮮は180カ国中179位。だからって、堂々72位にランクインのニッポンが、安堵していていいわけありません(Cf.04/22)。
朝日新聞が猛烈なバッシングを受けていたとき、NHK「クローズアップ現代」やTBS「ニュース23」が政府・自民党の攻撃にさらされていたとき、他メディアのジャーナリストたちは、それらをどれだけ自分らの問題として捉えていたことでしょう?
「言論・表現の自由」を守ろうとするジャーナリストの気概と連帯心は、昨今目に見えて弱まっている、と思わざるをえません。

05/09 ミサイル「ムスダン」2発はどうやら失敗したようですが、慶祝の鳴り物入りで始まった朝鮮労働党第7回大会。せっかくピョンヤンへと駆けつけた大勢の各国メディア取材陣は、かの国が見せたいところばかりへ連れ回され、肝心の党大会の中身はほとんど取材できないよう。
そんな中、わずかに漏れ伝わってきたのが、核開発と経済建設の「並進路線」なるものですが、首都のメインストリートを離れると貧困と飢餓が支配するという北朝鮮の現状を思うとき、巨額の軍事費負担が国民経済を破綻させ、自滅したソ連の教訓を、この国の指導者たちがどう考えているのか、首を傾げるばかりです。
そもそもこの国がなぜハリネズミのように身構えるのかといえば、目と鼻の先で大々的な米韓合同軍事演習が行なわれたり、金正恩の首を掻き切る作戦が公然と言われたりするからなのでしょうが、零細出版人に言わせれば、それは杞憂です。
なぜなら、「北朝鮮は世界資本主義のスタビライザー」だと信じてやまないからです。かの国はしばしば「世界平和の不安定要因」のようにいわれもしますが、それはチト違います。
もしもあなたがこれから生まれる子どもだとして、「アベ政治のニッポンとキム王朝の北朝鮮との、どっちにしますか?」と問われたら、どう答えます?「北」と答えるには、おそらく相当な勇気が要ることでしょう。
このように、「アベ政治のニッポン」にせよ、「トランプ大統領の米国」にせよ、かの異様な体制の存在は、自分らの体制の「安全・安定装置」として、格別に重要な役割を果たしている、とみることもできるでしょう。

05/06 連休の谷間のきょう、通勤電車は乗客まばら。連休ボケなのでしょう、頭もあまり働きたがらないので、今回は身辺雑記にて失礼。
連休前、混雑を避けて出かけた零細出版人。とある高速道路を快調に走っていると、後部に覆面パトカーの赤色回転灯が点滅、サイレンも…。「あっ、しまった。またやっちゃったー!」
自慢するわけじゃありませんが、スピード違反、一時停止履行義務違反、車線変更違反、駐車違反…と、運転免許の有効期間中に1回は何かしらの違反切符を切られている零細出版人なのですが、今回は、何だか「拍子抜けさせられるような罪状」でした。
停止させた車の運転席にヌーッと顔を突き出したおまわりさん、「追い越し車線をずっと走っちゃいけないことは、知ってますかぁ?」
よっぽど、「オウムを捕まえるときに使ったアレですよね?」とでも言いたかったのですが、そこはぐっと堪えて、素直に「はいっ」。そして、そのあとの警察官の言葉には、すっかり毒気を抜かれてしまいました−。

「追い越し車線を時速100キロぐらいで走っていたら、後ろがつかえてしまいます」

ですって!?
スピード違反を奨励するような話にキョトンとしていると、ホンカンさんも、「ヘンな話ですが…」と付け加えていましたがね。ほんとにヘンな話です。
あとで切符を熟読してみると、「法定通行帯外通行 29・1 本文, 4・1(3),令1の2 約3km 通行」とあり、「反則金相当額 6,000円」ということでした。
みなさま、くれぐれもお気をつけあそばせ。

05/03 連休にかこつけてしばらくサボりましたので、罪滅ぼしの番外編。
憲法記念日のきょう、朝日新聞世論調査によると、憲法を「変える必要がない」と考える人は昨年の48%から55%に増え、「変える必要がある」とする人は43%から37%に減ったとのことです。これは、「きわめて有意な変化」といえましょう。
そんなとき、「政府が "右" と言えば、いつまでも "右" を向き続けるアノ会長」の足元にも、どうやら「きわめて有意な変化」がちらほら出始めたよう。
ここでも採り上げたNHK「クローズアップ現代」国谷裕子キャスターの最終回(Cf.03/18)の翌日に同番組関係者300人が集った「感謝の夕べ」の模様が、けさの朝日新聞に紹介されています−。

「1日でも長く一緒に仕事を続けたかった」
「この日を迎えて残念だ」

そして、現役ディレクターの次の言葉には、心底、感銘させられました−。

「自分が担うべきジャーナリズムの責任を、国谷さんに負わせてきたのではないか… 責任を果たすため、したたかに番組を作り続けよう」

ジャーナリズムについてひとかけらの見識も持ち合わせない男の勝手気ままな言動と、それに追従する「忖度職員」らの手によって灰燼と化したかに見えるメディアの現場にも、「熾き火」のように熱く燃えたぎる「ジャーナリスト精神」がまだまだ健在だったことを知り、意を強くしました。