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報道の自己規制:メディアを蝕む不都合な真実
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デジタル・ストーリーテリング:声なき想いに物語を
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ソバ畑の向こうに霞む南アルプス・仙丈ヶ岳(16.09)

零細出版人の遠吠え

09/23 「燃やせば燃やすほどリサイクル燃料が増える」という触れ込みの高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉が、このほどようやく決まりました。
1995年8月の本稼働からわずか4カ月にしてナトリウム漏れ事故を起こし、以来21年間も、まるでどこかの零細出版社のように「鳴かず飛ばずの "悪夢の原子炉"」に、年間200億円もつぎ込んできたというから、いまどき実に気前のいい話です。
しかも、その内訳は?と問えば、冷却材のナトリウムを温めて循環させておくのに、なんと月々1億円もの「電気代」を払いつづけてきたとのこと。「馬鹿」を通り越して、ほとんど「ブラックユーモア」の世界じゃないですか?
でも、今回の「遅すぎた廃炉決定」、おちょくってばかりもいられません。きのうの毎日新聞社説にはこうありました−。

「核燃料サイクルの実現には、技術面や経済性、安全保障の観点からいくつもの課題がある。青森県六ケ所村に建設中の再処理工場も、トラブルなどで完成時期の延期を繰り返してきた。そこで目くらましとして中核施設のもんじゅを廃炉にし、破綻しているサイクル政策の延命を図るのが本当の狙いではないのか」と。

ウーム、慧眼! 政府・電事連っていうのは、事ほどさように、転んでも決してタダでは起きない「懲りない面々」であることを、返す返すもお忘れなく。

09/21 ここ10日間ほど、魑魅魍魎の棲息する豊洲の地下空間ばかりに、目が向きがちでした。で、きょうは、こちらも魑魅魍魎の暗躍する「原発」にまつわる話。
けさの東京新聞によると、経産省は、大手電力会社の保有する原発などの「廃炉費用」を、すべての電力利用者に負担させる方向で調整に入った、とのことです。
この4月に営業開始した「新電力」とて大手電力会社の送電網に頼らざるをえないわけですが、その維持管理経費を「託送料金」というかたちで電力料金に上乗せしているそう。このさいこいつに、福島第一原発の廃炉、除染、賠償の費用や他の原発の廃炉費用までも上乗せしてしちまえ、というのが経産省の目論見。
これに、「ぼくは廃炉費用を負担したくない!」と噛みついたのが、「苦虫を噛み潰しながら、酷暑を耐えた」鈴木耕さん。「ああ、鬱陶しい夏だったなあ…」なんてボヤキながら…

「ぼくもこの4月から東京電力を解約、新電力に移った。そんなぼくでも、廃炉費用を負担しなければいけなくなる? んなバカな話があるか。
 某食品会社の商品が大きな食中毒事件を引き起こした。膨大な処理費用がかかった。同じ食品業界の他社も、その費用を負担すべきだ。そう言われて同意する会社があると思うのか! 財界のおじいさんたちは、原発費用だからみんなで負担しましょうね、というつもりか。
 それほど『原発廃炉』という後処理には、巨額のカネがかかるということの証拠である。そんなにカネがかかるのなら、もう止めたらいいものを、それでもまだ再稼働と騒いでいる。ぼくにはわけが分からない。」

まったくです。そんなわけは、騒いでいる当人たちにもホントはよくわかっていないのでは?

09/20 豊洲市場問題をめぐって、このところにわかに脚光を浴びる石原慎太郎氏、支離滅裂な発言を乱発した末、記者から問題についての感想を求められ、何を思ったのか、「東京は伏魔殿だ」と気色ばんだそうです(東京新聞、9月20日付)。
そもそもこの「地下空間」案という発想の出どころを辿っていくと、どうやら石原知事による担当局長への「検討指示」(08年5月)へと行き着きます。

「コンクリートを埋め込むことで、ずっと安くて早く終わるんじゃないか」と。

そんな発想が形を変え、ときには「目的」すら変えて、問題の地下空間と相成った、といえます。東京新聞によると、その目的は、「地下のターレ置き場」→「浄化作業ができる空間」→「配管や配線を維持管理する作業スペース」と、都の説明は二転三転しました。
ところで『日刊ゲンダイ』も、「石原元知事が『盛り土』ケチった事情」について、説得力のある解説をしています−。

「〔石原氏は〕『私はだまされた』『他人任せにしてきた』などと呆れた発言を繰り返しているが、当時の状況を調べてみると、工法変更の裏に経営危機に陥った「石原銀行」〔新銀行東京〕の存在があった」

というのです。
あっ、そうかっ! 石原知事の08年5月の問題発言があった直前の3月、東京都議会はヤジと怒号が飛び交うなか、「石原銀行」救済のため、「1000億円の減資と400億円の追加出資」を決めたばかりだったのでした。
何だかこれで、問題のスジが読めてきたようです。
かくして、くだんの地下空間の究極の「目的」は、「伏魔殿」の「魔」が鎮座まします御座所となるのかもしれません。

09/15 おとといBSフジ「プライムニュース」を視ると、元都知事・石原慎太郎氏が出ています。どうやら築地市場の豊洲移転について問われているご様子。
問題の移転計画が決められたのは2001年ですから、まさしくこのお方の在職時ということになります。なのに…、

「僕はだまされたんですね。結局、してない仕事をしたことにして予算を出したわけですから。そのカネ、どこ行ったんですかね?」

なーんて、「相変わらず他人事のように」しゃべっています。まっ、このお方の毎度のパターンですがね。
ところがどっこい、けさの東京新聞によると、「石原慎太郎氏が都知事在任中の2008年、地下にコンクリートの箱を埋める案に言及していたことが分かった」というのです。
道理で、くだんの番組の最後の方でキャスター氏が、下から見上げるような目つきで「元知事の関わり」を問うたとき、いつもは何にせよあれほど明快に、かつ攻撃的に答える御仁が、何やらムニャムニャする間に番組は終了してしまったのでした。
零細出版人は番組全部を視聴したわけではないので、聴き漏らしたのかもしれませんが、翌日の報知ニュースによると、こんな聞き捨てならない発言もあったようです−。

「『豊洲移転問題では(新たな)スキャンダルが出そうなんですよ。(盛り土問題と)2つ合わせて、都の役人は腐敗していると思った』と、さらなる問題の発覚を予言。『いろんな問題の根は深い。五輪(関連)でも、下手すると、いろんな問題が出てくるかもしれません』」

しつこいようですが、それってあなたがトップを務めていたときの話でしょ? そこまでおっしゃるのなら、「いろんな問題」の何たるかを、潔く白状すべきじゃないの?

09/14 そもそも「豊洲市場問題」とは、どんなことだったのでしょう? 移転に反対する築地の卸売業らの裁判闘争を支えてきた東京千代田法律事務所の大城聡弁護士の解説から引かせていただくと−、

「東京都の専門家会議による調査の結果、ベンゼン(発がん性物質)が環境基準の4万3000倍、シアン化合物(青酸カリもシアン化合物の一種)が検出基準の860倍、ヒ素(和歌山毒カレー事件で検出された物質)が環境基準の7倍、鉛(汚染された食品を摂取しつづけると、体内に蓄積され健康へ影響)が環境基準の9倍、水銀(水俣病の原因となった物質)が環境基準の25倍などの有害物質が検出されています。」

しかも、いまだに「土壌汚染対策法の汚染が存在する区域(形質変更時要届出区域)に指定され」たままで、11月7日時点では、その指定解除もできないということです。こうして同弁護士らは、

「2016年5月20日には、122の仲卸業者の署名を携え、豊洲新市場への移転予定日を変更し、仲卸の声を聴くよう、農林水産大臣、東京都知事宛てに要望書を提出しました。また、仲卸の方々を対象としたアンケートでは、過半数を超える320の仲卸業者が11月7日の開場に反対すると答えています」と。

しかし、忘れるわけにゆかないのは、つい先だってまで大手メディアは、「11月7日豊洲移転」をもっぱら「既定の事実」として報じるだけだった、ということです。
いまでは卸売業者の「移転推進派」の頭目までもが、これに猛反対するに至っているわけですから、マスメディアも大いに反省しなければならないのではないでしょうか。