早春のほのかな香りをお届けしたい(17.02)

零細出版人の遠吠え

02/22  そもそも名前からして、十分すぎるほどいかがわしい。いいえ、大統領補佐官を辞任したフリン氏の話(Cf. 02/15)をむしかえそうってなわけではありません。
財務省近畿財務局が大阪の学校法人・森友学園に、国有地を通常の約1割の値で払い下げたという「国有地払い下げ疑惑」のことです。疑惑の解明は、大阪地検特捜部に期待するとして、ここで問題とするのは、同学校法人が「疑惑の土地」に今春から開校しようとしている私立小学校そのものです。
その名を「瑞穂の國記念小學院」と言い、小学校だというのに難しい旧字を宛てがっています。もっと傑作、かついかがわしいのは、寄付金を募ったときのその名です。ナなんと「安倍晋三記念小学校」ですって!
「悪い冗談」というのはふつう、このへんでお終いとなるのですが、これにはさらに「悪い冗談」の続編があるのです。ナナなんと、記念に名を冠された宰相の妻・安倍昭恵氏が「名誉校長」を務めるんだそうです。
このことを国会で質された「記念政治家」氏、血相を変えて「関係していれば総理も国会議員も辞める」などと息巻いていましたが、「妻から学園の先生の教育への熱意はすばらしいという話は聞いている」などともおっしゃっています。
と聞いて、いったいどれほど「すばらしい教育」をしようとしているのか知りたくて、同「小學院」のHPに当たってみました。「教育の要」は、次のようなものだそう─。

・ 天皇国日本を再認識。皇室を尊ぶ。伊勢神宮・天照大御神外八百万神を通して日本人の原心(神ながらの心)、日本の国柄(神ながらの道)を感じる。
・ 愛国心の醸成。国家観を確立。
・ 教育勅語素読・解釈による日本人精神の育成(全教科の要)。道徳心を育て、教養人を育成…etc.

なあーんだ、つまりは戦前の教育を復活させようって話じゃないですか! 現にそのあとには、「明治23年10月30日 御名御璽」のついた「教育勅語」が仰々しく掲げられていました。
かの「ファーストレディ」氏の「すばらしい教育」とは、こんなものだったんですね、ゲッ。

02/21  世界の耳目がクアラルンプールに釘付けになっていたきのう、トランプ政権が発足1カ月を迎えました。
ご当人はこの間の「成果」をしきりに自画自賛して憚りませんが、実態はといえば、「大混乱」の様相。その混乱ぶりについて、けさの朝日新聞はワシントンからこう伝えています─。

「政権の多くの重要ポストも空席のままだ。約4千とされる政治任用ポストのうち、議会の承認が必要な重要ポストは約1200。ただ、閣僚を含め、トランプ氏が議会に諮ったポストは59ポストにすぎない。『副長官』はわずか3人しか指名されていない有り様だ」

1カ月もたっても足元がまだこの様子では、まともな行政機能を果たせるとは思えません。
その一方で、大統領の「暴言・虚言癖」だけは、一向に止まるところを知りません。18日のフロリダ州の支持者集会では、堂々、何の根拠もない「自家製フェイク(偽)ニュース」を流して、顰蹙を買っています(Doubt!)─。

「あなた方はスウェーデンで昨夜、起きたことを見ている。誰が信じられるだろう。彼らは(移民を)大勢受け入れ、考えもしなかったような問題を抱えている」と。
トランプ氏にとっては、それは「ポスト真実」("Post truth") であり、「オルターナティブ・ファクト」("Alternative fact") だなんて言って居直るのかもしれませんが、もちろん、スウェーデンでそんな事件など起こってはいません。
そんな男を世界はいつまでも、まともに相手にするとは思えません。お膝元の米国でも、ジョージ・ワシントンの誕生日のきのう、例年ならば歴代大統領の功績をたたえる「プレジデンツデー」のはずが、今回は、トランプ抗議デモとなったそう。
突然ですが、ところで先だっての鳴り物入りの「日米首脳会談」って何だったのでしょうね。そういえば、その後、どこかの国の「首脳」が「トランプ詣で」に駆けつけたって話は、とんと聞きませんがねぇ。

02/20  国会質疑でしばしば苦し紛れに「トンデモ答弁」を繰り返しながら立ち往生している稲田防衛相。金田法務相ともども、「稲も金も永田の中の一本足の案山子」とでも歌われそうな「反知性主義内閣を代表する劣化閣僚」のお二人。
そんな稲田大臣に、北沢俊美元防衛相が『日刊ゲンダイ』紙上で「南スーダンPKОは『撤収すべき』」と提言しています─。

「稲田さんは即刻、辞任すべき。国会対策ありきで事実を正確にとらえず、言葉を弄して危険性をごまかす。…稲田さんは自衛隊の行動原理も、それを担保する法律も自分の都合のいいようにねじ曲げているね。そもそも憲法上、武力行使につながる駆け付け警護は認められない。自衛隊の行動実態からいって、できるはずないんだから」

おまけに南スーダン派遣陸自の「日報」問題を見ても、大臣閣下は防衛省の役人たちにナメられていると言います。というのも─、

「これまで彼女がやったことといえば、自分のメンツのために動いただけでしょう。(終戦記念日の)8月15日には必ず靖国神社に参拝するからと。でも防衛大臣の立場でのお参りはマズイから、アリバイづくりで(16年の)ジブチ訪問を段取りさせたわけでしょう。個人的な政治信条を防衛大臣の仕事に持ち込んだわけだ。防衛省の人たちは分かっていますよ。それでも、中国や韓国を刺激せずに大臣の職務を果たしてくれるのであればと、その時は従った。ところが、(16年12月に安倍首相に同行した)真珠湾から帰ってきた途端、靖国へ行った。『政治家・稲田朋美』の立場を保つために、防衛省は使われ、動かされた。そりゃあ、省内の信頼は失墜する」と。

なーるほど、内部事情に詳しい人は、目のつけどころがチト違うようです。

02/17 「事実の軽視、まるで中世」─。うーん、ごもっとも。けさの朝日新聞「月刊安心新聞」での神里達博さん(千葉大教授)の言い分に共感。
神里さんは、南スーダン派遣陸自部隊の「日報」をめぐる稲田防衛相の国会答弁(Cf.02/09「『愚かなアクロバット行為』を演じる防衛大臣」)を採り上げ、いまこの国で一世を風靡する「事実の軽視」という社会的雰囲気を摘出します。
でもこれは、日本だけでなく、「ポスト真実」(post-truth)という形で「先進諸国で同時多発的に」生じている現象で、「かなり真っ正面から『事実』が無視され、しかもそのことを多くの人々がさほど気にとめないという状況」になっている、と警告します。
そして、ここからが科学史家・神里さんの本領発揮。中世ヨーロッパの『健康全書』に架空の植物「マンドラゴラ」が収録されていたことを引き合いに出して、こう言います─。

「ここから見えてくるのは、当時を生きた人々が重視したのは、対象が実在するかどうかではなく、集合的な主観において、リアリティーを共有できているかどうかだったのではないか、ということだ。…いつの間にか私たちが生きる時代が、…中世に似てきているということはないだろうか」と。

で問題は、「『事実行為としての殺傷行為』はあっても、これは『戦闘行為』ではなくて、『武力衝突』である」などと言い繕って涼しい顔をしている稲田大臣の「愚かなアクロバット行為」だけではありません。
その「上司」たるアベ首相には、そんな手口を「得意芸」としている節すら見られるのです。たとえば昨年6月の、かくも厚かましい弁明も記憶に新しいところです─。

「現在直面しているリスクは、リーマンショックのような金融不安とは全く異なるが、危機に陥ることを回避するため、内需を腰折れさせかねない消費税率の引き上げは延期すべきだと判断した」

しかもこれは、「これまでのお約束とは異なる、新しい判断」なんだってさ。

02/16 「町の工務店のおっさん」のような風貌をした、善良そうな男が片手を挙げています─。北朝鮮の故金正日総書記の長男・金正男氏です。
そういえばこのお方、16年前に突如成田空港に現われて、拘束・収容ののち、超法規的措置で「退去強制処分」となったことがありました。「いったい何しに来たんだろう?」と訝しがっていたら、「東京ディズニーランド見物にやって来た」と聞いて、「エッ、偽パスポートまで使って、そんなことに…!? バッカみたい」と呆れたことがありました。
そんな正男氏が、クアラルンプール国際空港で「暗殺された」ということです。5年前にも北京で「暗殺未遂事件」に遭ったことがありますので、今回もまた北朝鮮が放った「刺客」に襲われた、とみるのが自然でしょう。
それにしても、見るからに「権力欲のなさそうな人」が、いったい何で殺されなければいけないのでしょう? 「金正恩委員長が正男氏を自分の権力を脅かす存在だと警戒し、除去しようとした」というのが、もっぱらの解説ですが、裏を返せば、かの世襲体制の権力基盤はそれほどに脆弱だということです。
そうなると、権力者が猜疑心で固まって行くというのは、どうやら「歴史の必然」のようです─。晩年のスターリンを見ればよくわかります。猜疑心が猜疑心を呼び、誰も信用することができなくなり、容赦ない「粛清の嵐」が吹きすさんだのでした。
やたら虚勢を張る金正恩氏の心中も、実はそんなものなのかもしれません。

02/15 つい3カ月前、「軍事や情報分野で、この国の最高位の専門家の一人。政権にとって貴重な人材になる」と持ち上げられ、国家安全保障担当の大統領補佐官に指名されたばかりのマイケル・フリン氏が、政権発足前の対ロ協議疑惑から、早くも辞任に追い込まれました。
日本では、「コレ(小指)で辞めた」閣僚や議員なぞ、掃いて捨てるほどいますが、ひょっとして「フリン」さん、名前が悪かったのかもしれません。冗談はともかく、発足早々のトランプ政権にとって、これはさぞかし大きな打撃となるでしょう。
で、そんなフリンさんを「トランプ大統領の全面的な信頼を得ている」とかばったのが、コンウェイ大統領顧問です(朝日新聞)。
ところが悪いことは続くもので、こんどはそのコンウェイ大統領顧問が、「トランプ米大統領の娘イバンカさんが手掛けるファッションブランドの商品をテレビ番組で『宣伝』した」ということで、政府倫理局が「懲戒処分が必要」と、ホワイトハウスに書面で勧告していたことが明るみに出ました(共同通信)。
叩けば埃ばかり出てくる政権の親玉から、「外国首脳で唯一のよき理解者」として「異例の厚遇」を受け、目下ルンルン気分の「ポチ首相」ですが、「親密11時間の率直な話」の中身を、国民に明かす責任があるのじゃないですか?