空気を読ま(め)ない本たち


気のせいか足早に移ろい行く季節(17.10)


【出版協 出版流通・販売問題研修会のご案内】

 11/22(水)鎌垣英人氏(大阪屋栗田執行役員)
「大阪屋栗田がいま考えていること─新販路の拡大という
 取り組みを中心に」

 12/07(木)高島利行氏(語研営業部長)
「流通・販売の課題に出版社はどう対応するか─取次・書
 店・読者に販促のための情報をどのように届けるか」
(仮題)
 *上記2回は、17時から小石川運動場会議室にて。

 18年02/02(金)上原清一氏(日販ネット営業部長)
「いま、日販が取り組んでいる流通改善 つぎの一手」
(仮題)
 *この回のみ、18時から日販本社5F会議室にて。

 詳しくは、出版協事務局(Tel.03-6279-7103)まで。
  


零細出版人の遠吠え


11/17 けさの東京新聞(共同通信)によると、ジュネーブの国連人権理事会が日本の人権状況の審査結果を発表、日本に対し218項目からなる勧告を出しました。
なかでも注目すべきは、「報道の自由」を萎縮させる恐れのある「特定秘密保護法」や「放送法」第4条の改正を求めていることです。
「放送法」第4条は、「放送事業者は、国内放送及び内外放送の放送番組の編集に当たっては、次の各号の定めるところによらなければならない」として、以下の4項目を掲げています─。

 1)公安及び善良な風俗を害しないこと
 2)政治的に公平であること
 3)報道は事実をまげないですること
 4)意見が対立している問題については、できるだけ
   多くの角度から論点を明らかにすること

「放送法」本来の主旨を強引にねじ曲げ、これをもっぱら放送局に対する恫喝と規制に使おうとしているのが、第2次以降のアベ政権です。
2014年の衆院選時には、自民党が萩生田光一・筆頭副幹事長名で在京キー局に「圧力文書」を送りつけ、2016年2月には、高市早苗総務相が放送局に「電波停止」の恫喝をかけたことなど、これが悪用された事例は広く知られるところ。
今回の「勧告」は、そんな日本の言論状況がグローバル・スタンダードからすれば「まだまだ」どころか、むしろ年々逆行している点を厳しく突かれているわけです。

11/16 衆院選に大勝し「いよいよ驕れる自民党」は、さっそく野党の質問時間の削減に手を付けます。
で、そんなことをすればどうなるのか、「加計学園」問題をめぐるきのうの衆院文部科学委員会質疑は、そのことをまざまざと示してくれました。
これまで「与党:野党=2:8」だった質問時間を「1:2」へと、与党に手厚く変えた質疑のトップバッターは、8月まで文科副大臣を務めていた自民党・義家弘介氏でした。ご存知、「加計学園獣医学部新設」問題の議論に副大臣として直接関わり、この間、文科省から続々出てきた一連の文書にも、「重要なアクター」としてお名前が登場する、「れっきとした当事者」。
そんな人物に30分もの質問時間を与えると─、

「恣意的な報道を繰り返したマスコミ、野党による結論ありきの追及にじくじたる思いを抱いてきた」

などと、貴重な質問時間を使って、何と自己弁護やら、メディアや野党への批判やらを繰り広げたのでした。
おまけに当の文科省の「再調査」で本物と認定された内部文書に対しても─、

「恣意的に打ち替えて作成し、意図的に共有フォルダに入れられた。あるいは逆に意図的に打ち替えられたものが外部に流出させられたという疑念が払拭できない」

などと、何の証拠もなく言ってのける始末。
本来「チェックを受ける側」を「チェックする側」にしてしまう、もっとはっきり言わせてもらうと、「泥棒を検察官に」してしまえば、国会は毎度「田舎芝居と茶番劇の舞台」と化してしまうでしょう。

11/15 「希望の党」の小池百合子代表が、「国政については、やはり国政の皆さんにお任せしたい」と述べて代表を辞任しました。
半年弱で2度の政党代表辞任とは、「ギネスもビックリの無責任ぶり」なのですが、それだけに止まらないのが、このお方のいつもの流儀─。

 「玉木雄一郎共同代表にこの後を任せたい。推挙させて
 いただきます」と。

ん? たった4日前の「共同代表選」は、小池氏が代表を続ける前提で行なわれたものでした。あくまでも「国会で党を代表するリーダー」としての「共同代表」だったはず。
なのに突如として「共同代表」を「代表」に指名、その「新代表」のもと、執行部の顔ぶれも「緑のたぬき」ブランド一色に染めてしまう。
これが「緑のたぬきのお家芸 "排除の論理"」でなくて何なのでしょう?

11/14 「思想家・格闘家」内田樹さんの発言は、いつもながら刺激に富んでいます。今回大いに関心を惹かれたのは、「衆院選:知の巨人・内田樹氏/至極真っ当な提言!/安倍独裁制/本当の正体」と銘打った『サンデー毎日』11月26日号掲載の記事─。

「今の日本の小選挙区制は、わずかな変化は議席獲得数には反映せず、政権与党がつねに圧勝する仕組みだ」

内田さんは、その原因を「低投票率」に求め、政権与党の主たる関心はいかに無党派有権者に投票させないかにある」と断じます。
こうして政権は、「立法府はもう機能していない」という印象操作に腐心することになります─。

「質問に答えず、はぐらかし、詭弁を弄し、ヤジを飛ばし、法案内容を理解していないので野党議員の質問に答えることのできない大臣を答弁に立たせ、審議時間が足りたと思うと殴り合いと怒号の中で強行採決をした。臨時国会の召集要請に応えず、野党の質問を受けるのが嫌さに国会を解散し、選挙後の特別国会では所信表明も代表質問もなしにいきなり閉会しようとした」と。

なーるほど、すべて思い当たるフシがありますね。
「安倍政権のすべての行動が周到に準備されたものである」と内田さんは断じていますが、もしそうだとすれば、この政権、思っていた以上に相当したたかだ、ということです。

11/13 先だって朝鮮労働党委員長氏を「ロケットマン」と呼んで揶揄したばかりのトランプ氏、ベトナムへ行ってもせっせと、幼稚園児のケンカのような文句をつぶやき続けています(HuffPost)─。

「金正恩氏はなんで私を『老いぼれ』と侮辱するのだろうか。私は奴を『チビデブ』だなんて言ってないのに…」

まるで「お前の母さん、デーベーソー」レベルのやりとりですね?
では何で、こんなことになるのか? その秘密を解くカギを、米人ジャーナリスト、マイケル・ペンさんが解き明かしています(「日本人が思っているより深刻な「トランプ危機」『週刊金曜日』11月10日号)─。

「…精神医学界の専門家の多くが、トランプ氏は恐らく自己愛性人格障害であろうと宣言している。…トランプ氏は絶えず賞賛され、崇拝されなければ気が済まない。…自分をほめそやす人は賞賛するが、批判的な相手に対しては最大限の個人的・侮蔑的表現で攻撃する。何十年も激しい恨みを抱き続けるタイプだ。」

そんな人物が「核のボタン」を持ち歩き、世界を動かしているのかと思うとぞっとするのですが、思えば、金正恩氏も習近平氏も、ひょっとしてアベ・シンゾー氏も、似たり寄ったりなのかもしれません。

11/10 さすがは「笑ゥせぇるすまん」、「取引」(deal)だけはお手のものです。
日本と韓国では「北の脅威」をかざしながら、まんまと高額な米国製兵器の大量売り込みに成功したかと思ったら、中国では「貿易不均衡是正」を大義名分に、なんと総額2500億ドル(約28兆円)超の商談をまとめてしまいました。
やっぱりこの男、大統領職なぞ返上して、「せぇるすまん」の本分に戻ってもらうほうが、世界にとってはいくらかマシなのではないかと思います。
一方の「紫禁城の皇帝」習近平氏ですが、「大盤振る舞い」の後の高揚した気分のなせる業なのか、「聞き捨てならぬ言葉」をさりげなく漏らしています─。

「太平洋には中国と米国を受け入れる十分な空間がある」

ですと。
実は前にも同じことを述べているのですが、要は、中国もアジア太平洋地域でのヘゲモニーを握りますよ、という決意表明にほかなりません。
私ゃ、とたんにその昔、英ソ間で結ばれた悪名高い勢力圏構想「パーセンテージ協定」(Percentage Agreement)を思い出してしまいました。
そう、1944年10月のモスクワ会談で、チャーチルが「これでどうだ」とスターリンに示した紙切れには、こんな数字が書かれていたと言われます─。

「ルーマニア王国:ソ連90%、その他10%、ギリシャ王国:英国90%、ソ連10%、ユーゴスラビア王国:50%、50%…等々」

先々、私らは「合衆国51番目の州民」にされるのか、ひょっとして「漢委奴国民」にされるのかってこと?